日本財団 図書館


ではこの事態をどうすればいいのかというので、私はいつも「議会改革」ということを申し上げているんですが、まず一つは議会事務局というのがありますが、あれは首長部局の人事ですので独立していません。ですから、まずそれを独立した人事にするということ、それから機能を全部市民に公開して、市民といっしょに条例づくり、政策づくりを議員がしていく場にするということを考えていくといいのではないかと思います。

私は多摩市で議員をやりました。非常に小さい市ですから調査係というものもありません。全部自分で調査して、考えて、立案してやっていかなくてはいけませんので、たいへんな思いをいたしました。その時に重要な役割を果たしてくれたのが、やはり市民の方でした。市民というのはゼネラリストというのはなかなかいませんが、一つの分野ではスペシャリストはたくさんいます。各分野でそういう方たちのお力を借りながら、いっしょに考えていくということで、多くの部分を乗り越えてきたかなと思っています。

ですから機能を市民に開いて、議会事務局を市民とともに担っていくと言いますか、そんな形にすれば、かなり多くの立法機能、監視機能というものが担えていくのではないかと考えています。

 

■自主財源と市町村合併

 

【横島】ありがとうございました。まさに昨日の吉野川可動堰の住民投票などを、どのように評価し位置付けていくのか。安全、財産保存と、環境というような問題との接点で、非常に微妙な問題を提起しています。そういう時の議会の役割をかみ合わせると、今、新井さんが言われたようなところは浮かび上がってくるのだろうと思います。これはまだ十分私も分析しておりませんので、このくらいにさせていただきますが、住民の力を込めた自主決定や自己決定と自己責任、この問題は形のある部分にしろ、ない部分にしろ、たいへん重大なテーマではないかと思います。

まだご意見はおありだと思いますが、時間がありませんので第三のステージに移らせていただこうと思います。第三のステージはお約束のように、地方財政問題と合併問題を時間の許す限りお話しいただきたい。まず山本町長から、いわば末端の市町村における自主行政というものと、自主財源の矛盾点が多々おありではないかと思いますが、その辺の実情とこれからの財政展開へのご希望も含めて、ご意見をいただきたいと思います。

 

025-1.gif

 

【山本】まず自己決定の件ですが、私どもは自己決定をするために、1年に1回「移動1日役場」というのをやっています。単位として100から200人ぐらいの人に集まっていただいて、いろいろ意見を聞き、そこで皆さんの意思を集約して、翌年度すなわち平成11年度であれば12年度の町がやることを決めていっているわけです。これをずっと継続し接していくことが一番大事だと思っております。できれば先程西尾先生からお話がありましたように、自己決定というのは非常に大事ですから住民と協同して行う地域づくりの大切さなどを、小中学校の教育の中に盛り込んだらどうかな、といつも思っています。そこら辺りの配慮をいただければと思います。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION