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あと、1,000年くらいできれいになるかなぁ。

簡単ではないけれど、

とにかく続けていこうと思っています。

 

4月にやるんです。去年の4月はすごい嵐のような雨で、豪雨で鉄道も止まったくらいの豪雨だった。誰も来てくれないなあと思って、仲間内でこれやんなくちゃいけないなと思っていたら、350人くらいの人が来てくれてね。ちょっと涙がでました。で、こうやって木を植え続けていこうと思っているんですが、ちょっと離れてみるとね、なんか広い谷の反対側からみるとあんなに苦労して植えた所がバンドエイドをちょっと貼ったみたいな感じなんです。たいして、こんなちっとか、と思うわけですよ。それで何年かかるかなあと計算して、あと1,000年くらいできれいになるかなあと思ったりするんだけど、植えた所がまた鹿に食べられちゃったりね、簡単ではないんだけどもね。

こんな話をしました。とにかくやり続けていこうと、自分たち仲間に今年こう言ったんですね。これ、貧者の一灯っていうんですか、これも仏教説話なんですけども、お釈迦様がいて、みんなお釈迦様が大好きでね、みんないろんなものを寄進するわけですよ。要らなというのに、まあ、寄進する。国王は土地やお寺を寄進します。大金持ちはお釈迦様にお灯明を一万もね、万灯といいますね、万灯寄付しましょう。もうすごいみんなこぞって寄付した。で、ひとり、貧しいおばあさんがいて、このおばあさんはお釈迦様を慕う心は、誰にも負けないんだけれども、何にもない。でも気持ちを表したいから、一灯、ひとつお灯明をね、小さなお皿に油入れて灯芯入れてひとつだけ、ひとつのお灯明だけ、お釈迦様にこれしかありませんって寄付しました。そしたら、あとで風が吹いて、大金持ちのあげた、奉納した万灯っていうのは全部風に消えたけれども、心を込めておばあさんがあげたひとつのお灯明だけが残りましたって、これ貧者の一灯って、貧しい者の一灯いうふうに言うんですけれども、我々はこういう気持ちでね、やろうよ、一灯づつ捧げていけばいつかはできるんだから。でも全部完成とかそういうのはありえないんでね。まあ、そんな話をして僕は自分の、なんというか、課したことにしてやり続けていこうと思っているんですが、そこも源流ですよ。これは渡良瀬川という川の源流であり、利根川に注ぎ、東京都民の水瓶になっているところであります。

自然というのは、本当に無駄がない。どこひとつとっても無駄がない。例えば川の話に戻しますが、川っていうのは蛇行しているでしょ。こう曲がりくねって流れている。たいていの川は曲がりくねって流れている。北海道の湿地帯なんかに行くと本当に見事に流れている。なんでこう流れているかっていえば意味があるからですよ。これは、水っていうのは曲がって流れる性格があるのかなあって思ったり、よく分かりませんけどね。証明はできないんだけども。船に乗る、僕は、2月1日からちょっと船に乗って外国へ行くんですけども、どんなに大きな立派な客船でもですよ、船に水をたくさん積むでしょ、港に停泊して一週間停泊したら、水全部腐るんですよ。ところがどんな水でもいいから揺れて、港でも揺れて、たとえば、走っている船だったならば、何カ月たっても水は腐らないんですよ。不思議ですねえ。よくわからないけど、そうなんだそうですよ。

 

 

 

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