そしてその竜っていうのはオーロラのことです。それを見たら懐妊して立派な強い子を産んだ。それ漢の武帝とかなんかそういう本当に英雄、豪傑の王様を産んだ。「それだろう」つうの彼はね。「日本人はオーロラを見て強い子を産みたいんだろう。だから来るんだろう」って言うんですよ。それ絶対違うなあって僕は思ったんだけど論争してもしょうがないんで、それでまあ、話は終わったんですけどもねえ。彼に言わせると「オーロラなんかいくらでもあるじゃないか、なにが不思議なんだ?」と言うわけですよ。今まあ、自然科学者は一生懸命に、なぜオーロラが出るかということを研究し、それを説明しようとしてきました。実際に説明ができる。
まあ僕は何度聞いてもよくわからんのですが、まあ、ものすごく、簡略して言ってしまえばですよ、おおざっぱに言ってしまえば、太陽はいつもエネルギーを放射している、水爆のような爆発を繰り返して、エネルギーを出している、太陽の風、太陽風というエネルギーを出していて、それがバアーっと拡がっていて地球に当たる。地球は磁気のネットを被っているんですね。その磁気の網にそのエネルギーが引っかかってバチバチっと放電するのが、じつにおおざっぱなんですが、オーロラである。その説明を、人間は一生懸命にコンピューターを駆使したり、計算したり、いろんな観察をしたりしながら説明するわけですよ。まず、仮説をたてる。こうじゃないかっていう仮説をたてて証明していくわけですよ。矛盾がなければそういうことだ。っていうことになって定説になっていくわけですよね。それが自然科学というものであって、まあだいたい科学というものは仮説、それを証明するという繰り返しになっていくわけですけども、道元風に言えばですよ、「全てが現れているじゃないか、人間がどうこうしようが、もう全部が明らかじゃないか」という考え方。