富士ゼロックス(株)の環境保全活動
エコロジー&セーフティ推進部
部長 仲手川實
(1)はじめに
富士ゼロックスは、地球環境問題を経営における重要課題と位置づけ、商品環境、事業所環境、企業行動を3本柱に、企業活動と環境活動の調和をめざし、全社をあげて総合的に取り組んでいます。
(2)推進体制
環境安全と商品安全を一体化させた全社的推進を目指して、1999年4月に従来の「環境安全会議」と「商品安全会議」を「エコロジー&セーフティ推進会議」に統合しました。
(3)商品環境
1]環境配慮商品の開発
富士ゼロックスは、市場に送り出す商品が環境配慮型であることを目指してきました。1995年にリサイクル設計ガイドラインを作成して、リサイクルしやすくするための設計要求頂目(取外し・回収・運搬の容易化、リサイクル可能な材料の使用など)をまとめ、ガイドラインの項目を満たすと共に様々な環境配慮を設計に盛り込んで商品開発を行っています。
その代表的な例が「DocuCentre450/550」です。具体的な環境対応は、リサイクル部品の使用率向上、電気部品やドラムカートリッジ、トナーカートリッジの長寿命化、コントロール技術を用いた省エネルギー設計、低騒音・低オゾン設計ならびにトレイレスの高速の両面コピー機能などです。
今後、ハード面では部品の共通化やリサイクル可能な設計を高め、機能の高さはソフトの進化で機器を発展させることにより、環境負荷を低減していきます。
2]リサイクルPPC用紙の開発
当社は再生紙の可能性を追求し、1990年に古紙パルプ配合率70%のPPC用紙「R」、1992年に新聞古紙でなく上質古紙を用いた「WR」、1997年には古紙配合率100%の「Green100」を発売しました。包装紙、段ボール箱にも環境への配慮を徹底しました。
3]商品リサイクル
当社は、「限りなく『廃棄ゼロ』を目指し、資源の再活用を推進する」を掲げ、商品企画・開発・製造から廃棄に至るライフサイクル全体を視野に入れた、資源循環型システム「グルーズド・ループ・システム」の構築に全社を上げて取り組んできました。お客様が使用した機械を回収。工場で分解・洗浄された部品は選別・修理など一連の再生工程を経て、厳しい品質基準に適合した部品だけを生産ラインへ再投入するというものです。それぞれの工程で得られた情報を設計部門にフイードバック、再使用部品利用拡大の為にリサイクル設計に反映しています。