・現状把握を行い、更に、法規制の遵守の約束等をもとに、経営トップが環境方針を策定すること。
・環境影響をもたらす社内の活動を明確にし、その改善へ向けて、長期的、短期的な具体的目標を設定し、計画的に実施していくこと。
・組織と責任/権限を明確にし、必要な資源を配分し、全員が環境を意識するように教育・訓練を行い、コミュニケーションをよくしていくこと。
・文書化、文書・記録の管理等により手順を確実にしていくこと。
・モニタリング、測定等により、また内部監査により自らの行動をチェックし、是正を施していくこと。
・経営トップがレビューをおこない責任を持って継続的改善に取り組むこと。
等が含まれている。
要約すれば、大きなPDCAのサイクルを回しながら継続的に環境改善をはかっていくことになりますが、特にシステムの改善に重点が置かれています。
ISO14001で要求しているマネジメントシステムを作り上げることは一見、難しそうに思えるかも知れませんが、どの様な組織もマネジメントシステムで動いていますし、これまで行われてきている品質管理も安全管理、製造管理も人事管理、経理管理も全体マネジメントのサブシステムです。
要は、環境マネジメントシステムといっても特別のものでなく、現在行っていることの整理であるといってよいでしょう。また逆に、環填マネジメントシステムの実践によって経営改善に結びつけている企業も多数あります。
5. 審査の基準となるのはISO14001の要求事項である。
審査においては、企業の環境マネジメントシステムが必ず備えていなければならない項目として、ISO14001の仕様書(本文)の要求事項を中心にチェックされます。
システムが存在することは環境マニュアルを見ればわかることかもしれません。しかし、もっと大切なのはこのシステムが現場で実施されていることであり、更に、継続的改善を含めて、その効果が上がっていることでしょう。
審査においては、これが、主に現場での記録との府合、インタビュー等によって確認されます。
審査は主としてシステムについて、規格の要求事項に合っているか、合っていないかについて行われます。インタビュー、記録等による審査において具体的な数値(いわゆるパフォーマンス)を見られることもありますが、これはシステムが所期の目的どおりに働いているかどうかの事実確認のために行うものです。
審査の報告においては、システム全体について、規格に合っていること(ポジティブ)も合っていないこと(ネガティブ)も取り上げられるでしょう。この報告を参考にしてシステムの再構築、改善を行っていくのがよいと思われます。