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これはやはりあるレベルで定量的な計画を持って投資をしたり、あるいはそういう効果を見ていくということがこういうISOの中で求められますので、むしろそういうことを救っていただく、うまく運営していくという意味ではプラスになったりします。

○石 例えば省エネになったとか、ごみが少なくなったとか、そういう意識が、モラルが上がったとか、そういうことはあるんですか。

○仲手川 省エネ効果も大きいと思います。大きく言って、省エネの活動とか、廃棄物の活動、それから化学物質の管理の活動、幾つかあるんですけども、やっぱり省エネが一番みんなが身近に活動していくというところでの効果があります。ただ、みんな本当に気持ちよくやっているのか、それはなかなか難しいとこありまして、こんなことまでやんなきゃいけないのかとか、無理やり巻き込まれた人間もたくさんいると思います。ただ逆に私どもの世代でも家に帰ってもごみが気になるというのは、やっぱりISOやってからの効果です。家のごみの分別を思わずしてしまうという、その週の環境意識効果というのは確かにあるかと思います。

○石 ISO家庭なんていうのがあるんですか。

野辺さん、県庁はISO取ったというの恐らくかなりの人は意外だったと思うんです。製造業ならよくわかりますけども、最近は大学とか、生命保険とか、もちろん自治体がそうですね。思わぬとこでISOの取得をしています。これ埼玉県はどういう目的で、どういうような効果が結果的にあったんでしょうか。

○野辺 今お話のあったとおりで、ISOを認証取得するときは私はそこにいなかったんですが、どうしてISOを取るのかを、あるいはこの埼玉県庁の状態でISOなんて取れるのかというふうな素朴な疑問がありまして、それに携わっている職員の話を聞きますと、いや、それは別に難しいことではないんだよと。取り組むことによって意識改革もあれば、少なからず環境に対する注意というか、それこそ家に帰ってごみが気になるという人が出てくるかと思いますけど、それが浸透していくと。環境に対する意識が浸透していけば、おのずと仕事についても環境に対する力も入ってくるだろうというふうなことで、とにかく肩を張らないでまず取ったらいいんじゃないかと。それをISOのPDCAサイクルで、年々改善していく。むしろこれからが仕事かと思いますけど、取る途中、あるいは取った以降、都道府県で北海道から九州まで半分以上のところで研修に見えました。それから、県内市町村でも、既に取りますよと宣言したのが今現在、七つばかり聞いておりまして、それは理屈抜きにしてやはりそういう行動をしていくことが、非常に今、県民ニーズ、住民ニーズとして求められているんだというふうに考えております。

○石 職員は迷惑がらなかったですか。なぜこんな面倒くさいのやるんだということはなんなかったんですか。

○野辺 それはやっぱりあります。従来埼玉県の場合、環境基本条例があります。それに基づいて環境基本計画をつくりなさいというふうな条文があって、これに力を入れて環境施策をやりなさいというふうにそこに示されていて、なおかつその環境基本計画に載っている事業は自主的に点検するんですよという仕組みは今までもうできているわけです。

 

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