それから、もう一つあるんですが、環境というのは継続的に改善していかなくちゃならない。この改善をするという約束があります。これらの約束は皆さんに公表することになっています。言った以上、これは守らなくちゃならない。守らなかったら、まさにその人の信用問題、あるいは権威が失われるということです。こういう前提の上で自主的に環境改善をしていく、これがISO14001と言ってよろしいんじゃないかというふうに思います。
○石 大変わかりやく説明していただきましたが、仲手川さんにご質問なんですけども、私ドイツでこの認証作業に立ち会ったことがあるんです。ちょうどそれは仲手川さんの会社の商売敵のコピーマシーンの会社でしたが、ただちょうど目の前で緊張した女性が潤滑油ひっくり返しちゃったんです、もう認証作業でみんなぴりぴりしていますから。そしたらその検査官が、油どうすんだと言ったら、すぐこれはすくい取ります。すくった後どうすんだ。布で拭きます。その布をどうすんだ。洗います。どこで洗うんだ、洗った後の廃液はどうすんだとそれ見ていまして、これはしんどい作業だなと思って、なぜこんなしち面倒くさいのを受けなくちゃいけないんだろうと思ったことあるんですが、なぜ企業が率先しておやりになって、しかもどんなメリットがあるかをちょっとご説明いただけますか。
○仲手川 なかなか厳しい質問なんですけども、ISOといいますと、もともと製造業を中心にスタートしたとこがありまして、皆さんご存じのように輸出産業のパスポー卜なんて言われる側面もあるんですが、当社のケースですと、むしろ今、市川さんお話しになられたように、環境保全をレベルアップしていく、そういうときのツールとしてこれは絶対有効だという考え方で割とまともにスタートしました。結果的に今各事業所でやっておりますけども、もしこれ取っていなかったら今の環境保全の活動が進んだのかというと、僕は今よりは落ちていたと思います。もちろん何もしなくてもきちっとやってりゃできるんじゃないかと。私どもでも各部門でこういうの推進する側なんですけども、正直言うとさっきのを私自身はとったことがない人間なんですが、推進する側からいきますと、うちはきちっとやっている、例えば電気を消すのも全部やっている。だから、そんな認証までやらなくていいんじゃないかという話が、一番最初、スタートやっぱり結構出ますです。ただ、そういうものを実際にやっているとこの例だとか、あるいはそういう効果を示しながら、とにかくやってみようよと言ってスタートしたのが多分最初のころだと思うんです。実際にこれらを運営した方、実際にこれ受けた方の効果っていいますか、実感として受けられた成果というのが結構大きくて、それがむしろほかに波及していったというような要素があるかと思います。いろんな部門から私ども成果を上げてもらっているんですが、環境の課題をトップから従業員まで同じ目的、目標でやるなんてことは今まで余りないですよね。そういうようなところで、同じ目標に向けてやれたということがあります。
それから、さっきお話ししましたように、環境に対する投資、これは私ども直接部門ですが、これなかなか会社の中では、景気がいいと投資はできるけど、実情苦しければなかなかできないとか、これは現実にきょう現在だってあるんです。