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それで、その場合、人がやっていることにけちつけるんではなくて、自ら何ができるかということから入ります。企業の場合には、生産活動をやっている。販売活動をやっている。その中でどう環境に関与しているだろうか、いいことをできるのか、悪いことになっていないか、それをチェックしていきます。これまで、いろんなところがISOをおやりになっていまして、埼玉県さんもおやりになっています。地方自治体にしましても、その皆さんに対する行政サービスの中で環境とどうかかわっているかということ、これを自ら拾い出していきます。さらに言えば、一般消費者、あるいは我々自身が、市民であり、県民なわけですけど、我々の生活の中で環境にいいことをしているだろうか、悪いことをしているだろうか、これを拾い出してみましょうということです。それがスタートになります。従来環境を守るためには、行政が規制して、しようがないからここまでは守ろうということでやってきたわけですが、これが自主的な行動に移っていき、自分で問題点を見つけ出して、それを良い方向にもっていきましょう。そのためにはどんなことをやったらいいかということを教科書的に書いてあるのが14001と言ってよろしいんじゃないかと思います。問題点が見つかりましたら、問題点をよくするために何かをしなくちゃならない。その何かをするに当たって具体的な目標をつくってそれを達成していきます。ダイオキシンというような問題があるとすれば、じゃ煙の出る量を少なくしていきましょうという話がある。今までの10%少なくする、20%少なくする、30%少なくする、こういう目標を立てて、その目標に向かって具体的な方法を検討する。いろんな方法があるだろうと思いますが、場合によっては機械を変えていくということもあるでしょうし、あるいは運転方法を変えていくということがあるかもしれません。その具体化につきましては、ある程度のお金と時間が必要です。

 

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つぎに、いつまでにこれを完成させましょうか。だれが中心になってやりましょうかと、これを具体的に決めていくわけです。方法、人、時間というものを決める。これで計画表を作ります。その計画表にしたがって、実際行動に移っていく。計画表ができるということは、段取り8分とよく言いますが、半ば過ぎのことまでできたということになるんじゃないでしょうか。

その計画達成のために、具体的な行動に移す。現場での行動というのは、ある程度人が集まってやるということになれば、その集まった人の組織、あるいは体制というもの、これをきちんとしていかなくちゃならない。その中で、もう一度きちんとした責任者を置いてくださいということを言っております。とかくだれがやるかわからないということは、たがが外れることもあります。こういうことがないようにということを言っています。日本人ともすれば、あうんの呼吸でやっているということ、あるいは皆さん何となしに意思を通じてできているだろうということなんですが、どうやら環境というのはそればっかりに頼り過ぎていますと、事故が起こったり、とんでもないことが起こる。こういうことを避けていかなくちゃならないということがあるわけです。その次には、人が集まって仕事をやる、環境をよくするという仕事をやるわけですけど、それには教育訓練というものが必要でしょう。

 

 

 

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