○石 野辺さんはずっと県民の方や消費者の方と接せられていて、私自身も感じとして、例えばごみに対する感じ方がこの数年随分変わったような気がするんです。つまり各県とも何かごみの総量が減り始めた。これも不況と言えばそれまでの話なんですが、そういうのごらんになってどういうふうに県民あるいは一般の消費者が変わっているような印象受けられていますか。
〇野辺 ここ二、三年かどうかはともかく、少なくともリサイクル率が非常に高まってきているのは確かです。こ承知のとおり、昨年、一昨年あたりというのは古紙の低迷だとかがあって非常に難しい時期はあったんですが、リサイクルが着実に進んでいることは確かで、それはいわゆるリサイクル法が機能してきたというのが大きいのかなと思いますし、長年の啓発活動の成果もあるかもしれません。さらにダイオキシン問題というのもかなり影響しているのかなと思います。みんながこれだけごみについて注目集めてきているというのは、やっぱりダイオキシンが引き金になっているのかなという気がするんです。要するに焼却に対する警戒心というか、そういった意識が全県下に広がって、ごみをいかに減らすか、元からどう減らしていくかというのがこれだけ高まってきたのは、ここ二、三年かなという気がいたします。
○石 私も、なぜ環境問題がいろんな形で動いていくかっていろいろ調べたことがあるんですが、何か1回パニックを通らないとなかなかうまくいかないという面が残念ながらあります。今回、特にここはダイオキシン騒動の一つの震源地になったわけですから、それが大きくやっぱり関与したということですか。
○野辺 ええ。ほとんど毎日ダイオキシンの記事がない日はないほどです。テレビにしてもマスコミにしても。
要するにダイオキシンの問題ももちろんですが、ごみに対する意識も浸透してきたというふうに思います。