さらに、使い終わった後の問題、なるべくごみにならないもの、あるいはごみになっても処理に環境負荷の少ないものを選ぶようにするというように、商品の生い立ちから廃棄後のことまで、すなわちその商品の一生と言えばいいんでしょうか、商品のライフサイクルを考えて商品を選んでいく必要があるという、これがグリーンコンシューマー行動のベースをなしているわけですが、こういう運動が広がりつつある。このグリーンコンシューマー活動は、私たち消費者がする買い物、だれもが買い物という行動はやっているわけですが、この買い物を通して販売店を変えていき、さらにそれがメーカーにも影響を及ぼしてメーカーが変わり、社会が変わっていく、すなわち一人一人の買い物行動が社会を変えていくという行動の目標を持つわけですが、こうした動きがだんだんと各地で広まりつつあるというのが最近の情勢だと思います。
それからもう一つ、先ほど商品のライフサイクルということを申し上げましたけれども、販売店や、商品の産みの親であるメーカーが、環境問題にどういう配慮をしているかということにも私たち消費者は目を向けていかなければならないというのも、このグリーンコンシューマー活動の中の一つであるわけです。そういった動きがこれからはさらに広まっていくだろうというふうに私は考えています。
○石 次は、環境庁の環境保全活動推進室の大熊さんにお願いしますが、10年前にこういう会合出ると、大体環境庁とか中央から来たお役人がつるし上げられまして、国は何やっているんだと。最近は何かそういうのなくなってきたんですね、大熊さん。結構昔より楽になったと思いますが、お願いします。
○大熊 そのくらい昔のこと余りよく知らないですが、きょうはつるし上げられないことを祈っておりますので、よろしくお願いいたします。
ご紹介いただきました環境庁の環境保全活動推進室の大熊でこざいます。私の所属しております環境保全活動推進室、ちょっと長い名前なんですが、どういうことをやっている部屋かと申しますと、一言で申しますと、企業、消費者、NGOも含めてなんですが、いろんな方々、いろんな主体の自主的な、片仮名で言えばボランタリーな活動を促進する、支援するという仕事をしております。そういう意味で、昔の仕事とはちょっと変わってきた面があると思います。この部屋は大体5年ぐらい前にできまして、それからどんどん仕事は拡大をし、仕事の量に追いつかないんですが、人も少しずつふやしているという部分で、環境庁の中でも成長している部署の一つでございます。
どうして自主的な活動なのかということでありますが、まさに石先生の方から基調講演でお話ございましたように、今日の環境問題というのは地球全体に影響が広がってしまっていること。これを、ああいうお話を聞いた後になりますと、一体どうしたらいいんだろうかと途方に暮れてしまう感じだと思うんですが、まずはとにかく我々の経済活動、日常の生活、あらゆるものを全部変えていかなきゃならないということになってしまうわけであります。そうなってきますと、石先生が今おっしゃったように、昔から環境庁がやってきましたような規則的なやり方だけではどうにもならないということでありまして、もちろん規制的な対応ができる部分、例えばダイオキシンの話なども今日もございましたが、ああいう部分はきっちり規制をする。