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ことし大変幸せなことに、99年のグリーン購入ネットワークさんが主催しますグリーン購入大賞というのをちょうだいいたしまして、去年、実は滋賀県庁さん、環境では非常に有名な滋賀県庁さんが入賞されたんですが、今年いただいて大変光栄に思っております。

こういうような活動を逆に購入者としての立場といいますか、コンシューマーとしての立場も持った上で活動していくというようなところを三つ目の視点として考えております。

○石 どうも受賞おめでとうございました。続きまして、飯田さん。多分消費者の立場から今日いろんなお話承れるとおもいますが、よろしくお願いいたします。

○飯田 消費生活コンサルタントの飯田啓子でこざいます。私は、約30年来、消費生活コンサルタントとして、消費者啓発の講座とか、あるいは行政の中にあります消費生活相談に携わってきました。その一方、数年前から短大で生活学と消費経済学の講義を担当しています。非常勤講師ですが、そういった面で消費者問題や消費者啓発にかかわっています。

消費者問題というのは、これは社会や時代とともに、どんどん変わってきますけれども、大きな流れとしては、一つは食品を初めとして消費財の安全性の問題、それから最近特に問題になっています契約であるとか、あるいは問題商法などの取引上のトラブルの問題、こういったものが消費者問題の大きな流れとしてありました。これに最近ごみ問題とか環境問題というのが加わってきたということです。環境ホルモンであるとか、あるいは特に埼玉に端を発したような感じのありますダイオキシン問題というのは、これは生命や健康を脅かすというようなことから、今非常に大きな消費者問題となっているわけです。豊かさとか、あるいは便利さを追い求め、いわゆる大量生産、大量消費、大量廃棄を繰り返したことの結果、ごみ問題や環境問題を発生してしまった。ということは、暮らしのあり方とか、私たちの消費生活に問題があるんではないか。もしそういう大量生産、大量消費、大量廃棄というような豊かさ、便利さを支えてきたものが、こういった環境問題の原因だったり結果を招いているのだとすれば、私たちの生活の仕方をここで見直してみることが必要ではないかということで、今グリーンコンシューマー活動というのが広がってきました。グリーンコンシューマーというのは、直訳すればグリーンは緑ですから、緑の消費者ということになるわけですが、これは環境に配慮した生活をする消費者というような意味です。

このグリーンコンシューマー活動というのは、10年くらい前にイギリスから始まったとされておりますけれども、今ではこれが世界的な規模となって広がっていて、日本でも数年前から各地で動きが出てきています。埼玉県でも昨年の9月から「環境にやさしい消費生活推進協議会」というのがスタートしまして、この活動がだんだん広がりつつあります。これまでの消費者行動という形で見てみますと、買い物というのはマーケットに並んだ商品の中から、便利さであるとか、使い勝手であるとか、あるいは格好よさとか、値段とか、そういう商品の顔を見て選ぶというのが一つの商品学のベースをなしていたように思われます。しかし、これからの消費者はもうこれではいけないという反省。商品の顔だけではなくて、商品が生まれるまでのいきさつにも思いをめぐらせる必要がある。資源や生産や流通にも視野を広げてということです。生産、流通、あるいは資源の問題を考えてみて、それが環境にどんな負荷を与えているのかというようなことにも配慮する必要があるんだということ。あるいは、消費する段階で命や健康に悪影響を及ぼすようなことがないだろうか。

 

 

 

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