日本財団 図書館


次どうぞ。これは人工衛星から見たアラル海の姿でありますが、もとはこのぐらいのあたり、この白いとこがもとのアラル海です。ここがもとのアラル海です。このぐらいあったわけですから、湖面が6割縮みました。水量が3分の1になってしまったわけです。湖が二つに割れまして、もうすぐこれ割れますから、三つに割れまして、2020年まで水は全くなくなると言われていますが、このように、これは天災でも何でもなくて、人間が水を使い過ぎたためです。ですから、来世紀における環境問題は、恐らく水が非常に深刻なものになるだろうと考えております。

次どうぞ。これは酸性雨になります。これは中央ヨーロッパから東ヨーロッパにかけて、これはチェコソロバキアのあたりですが、酸性雨で、例えば長さが500キロぐらい、幅数十キロ全部木が枯れております。これヨーロッパの汚染空気がちょうど集まってくるんです。

次どうぞ。これはスウェーデンですが、酸性の雨は当然酸性を帯びているわけですから、たまっている湖がどんどん酸性化しちゃって、要するにレモンぐらいになってくるわけです。仕方ないので、週に2回ぐらいこういう特殊な船から石灰をいっぱい投入しまして、水を中和しているわけです。こういう湖がスウェーデンだけで4,000ぐらいあります。

次どうぞ。これはドイツのケルンにあります大寺院であります。ついこの間先進国首脳会議この中でありました。有名なドイツの名建築ですが、これは私が学生時代だったころは真っ白な、まばゆいようなマリアの像であったわけですが、今酸性雨で解けちゃってこのようなぼろぼろになっています。これもわずか30年のことです。

次どうぞ。それで、これは北極圏のグリーンランドの上空なんですが、怪しげな霧がちょっと出ています。植村直己さんの犬ぞりの横断記読むと、きょうは水平線に見たことのないような茶色っぽい霧を見たって書いてあります。植村さんはご存じなかったんですけど、これは北極圏のスモッグであります。北半球の工業地帯から地球の自転に従って北へたまってくる汚染の大気によって北極圏がすごい汚れています。

次どうぞ。その証拠に、これはフィンランドの最北端で森林限界、森林が生えるもう一番北のぎりぎりですが、白くなっているのは全部これ枯れた木です。これは酸性雨によって枯れたものであります。ですから、北極圏に近いところまで酸性雨の被害が出ています。

次どうぞ。このまちは何とこれは北京であります。10年前に北京に行かれた方は、あの物すごい自転車の大洪水にびっくりされたと思います。特に毎朝、毎晩、毎夕通勤の自転車が、それこそ何十万台でしょうね。目の前通り過ぎていく姿壮観でありますが、あの自転車は全部姿を消しまして、今全部車になりました。ですから、今車の大洪水で、大気汚染がひどいんです。これ日曜日の朝でありますが、それでもこのような大気汚染で、太陽がここら辺にありますから、もう11時ぐらいですが、それでもこれだけ煙っております。次どうぞ。

さて、これはクエスチョン。これどこでしょう。実はこのまちは、今世界の大気汚染のワースト2に入りました。非常に大気汚染がひどいまちの一つになりましたです。ネパールのカトマンズです。皆さんはカトマンズといったらどうでしょうか。ヒマラヤの懐に抱かれたあのすばらしい、美しいまちとお思いになるかもしれませんが、今やこれも全部車のスモッグであります。朝10時になりますとスモッグが出てきて、もうまちじゅうすさまじいにおいが立ち込めています。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION