ちょうど60年代の川崎というと川崎市にいる方怒るかもしれませんけども、60年代の川崎とか四日市みたいな感じの、まち全体がぷーんと排気ガスと硫黄のにおいがするんです。こういう状況になっています。
次どうぞ。最後は、南極、北極ですが、これ北極でありますが、ふだんは雪に閉じ込められて、北極見てください。全部雪がないんです。これは温かくなって解けちゃったんです。今、今世紀に入って世界の温度が0.5度ぐらい上がったと言われていますけども、南極や北極は実は温度の上がり方がもっとひどくて、2.5度とか3度近く上がっていますから、みんな雪が解けちゃったんです。これはグリーンランドの北の方のフィヨルドという細長い氷河がつくった海岸をずっと上がっているところですが、全く雪がないわけです。
次どうぞ。これは南極であります。南極も地肌がむき出しになっているわけです。このぐらい雪が解けているわけです。世界的に今海面の水位が上がっているのは、このような北極、南極からの氷が解けたためだろうと考えられていますが、次どうぞ。このように、南極でありますが、私も何回か行ったことあるんですけど、もうこの地肌が見えているというちょっと信じられない光景が広がっております。
次どうぞ。これはシベリアなんですが、見てください。こういう湖がありますね。本当は湖なんかないんですが、この湖の原因は温度が上がって永久凍土層って一年じゅう凍っている層、これ地面の下にあるんですが、それが解けちゃって水になっちゃったわけです。ですから、それがたまるわけです。ですから、点々と過去十数年、20年ぐらいになりますか、シベリアで小さな湖がいっぱいできているのは、このように永久凍土層が永久じゃなくなっちゃったということが原因であります。
次どうぞ。最後になりますが、これペンギンです。これ南極のペンギンです。実はこんなところまで汚染が及んできまして、南極のペンギンでさえもこのようなごみ捨て場の真ん中で生きざるを得ないという状況であります。
というわけで、このような写真を皆さんにお見せすれば切りがないんですが、多分思いもよらない形で人間の手が地球全体に及んでいるということを、一端をおわかりいただけたと思いますが、汚染を例にとっても、エベレストの頂上でとった雪の中からDDTが出てきます。あるいは、南極のペンギンの体の中からもダイオキシンが出てきます。北極のシロクマは、世界で最もPCBという化学物質に汚染をされています。というわけで、それから上空20キロ圏の成層圏には実はフロンガスが届いて、先ほど申し上げたようにオゾン層を破壊しているわけであります。世界で一番深い海はフィリピン沖のマリアナ海溝でありますが、マリアナ海溝の1万2,000メートルの海底でも実はストロンチム90という人間がつくり出した人工的な放射性物質、これは核実験が原因でしようが、出てくるわけです。ですから、成層圏から深海まで、南極から北極まで、そして世界最高の山まで私たちはもう汚してしまったんです。つまり20世紀も末に来て、これだけ人間の力が大きくなって、これだけ地球を破壊しようとしているわけでありますから、私たち今しなくちゃいけないのは、繰り返すようですけども、私たち側の地球に対する攻撃、あるいは圧力といったものを少しでも少なくするしかないわけです。その少なくなる手段の一つとして、今回この次のシンポジウムで皆さんと一緒にぜひどんな方法があるのか考えていきたい。その一つとしてISOという、聞きなれない方もいらっしゃるかもしれませんけども、大変日本で今進んでいるそのような対策について皆さんと考えていきたいと思います。
環境問題というのは大体お説教になるんです、あれやっちゃいかん、これやっちゃいかんと。お説教する側は自分に対しては何もしないというのが普通でありまして、人様の行動だけが気になって自分は何もしないというのが大体環境問題の非常に大きな特徴でありまして、ドイツは大変もう過激な環境保護運動がありまして、意地の悪いドイツのテレビ局が、もう環境運動の大変な闘士を密かにテレビで24時間追っかけたわけです。