この演壇の机のような木がいっぱいある。多分この木をとるためにはアジアのどっかで木が切られているわけです。シベリアのどっかかもしれません。私たちは、そういうことをもって世界じゅうから物を集めまくって、これぞ成功と思ったわけですが、どうもそうじゃなさそうな形勢になってきました。世界ではもう切る木がどんどん少なくなり、とる魚が少なくなり、今輸入で賄っています。いつ世界で異常気象が来て輸入がとまるかもしれないという非常に危なっかしい綱渡りをやりながら、私たちは、うん、きょうも大丈夫だった、あしたも大丈夫だ、来年はまた少し賃金が上がるに違いない、来年は一回り大きな車に買いかえられるかもしれないという生活を追っかけてきたわけであります。それがそもそも今や全地球にそのような私たちの日常的な努力が重なった結果、これが地球環境問題と言われるような大きな問題に今なってきたんだろうというように思います。
ですから、ここまで膨れ上がった我々の欲求、欲望をどうコントロールするかというのは、これからの最大の環境問題、環境対策だろうというように私は信じているわけでして、もうそろそろ私たちは立ちどまらなくちゃいけないんです。もっと具体的に言うと、東京電力で払う電気料は少なくとも去年と同じか、それ以下にしよう。あわよくば2割か3割減らしてやろうと。近所の契約しているガソリンスタンドに払うガソリン代を去年よりことしは少なくとも1割でも減らしてやろうというような、私たちはまず立ちどまり、なおかつできたら後ずさりをするというのがこれからの最大のやっぱり環境対策だろうと私思います。いろいろ計算してみますと、30%ぐらい私たちは日常のもの減らしてもほとんど生活水準下がらないんです。私たちがもうちょっと地味に暮らしなさいってときに、貧乏くさい生活は嫌だなとお思いになるでしょうが、さっき言った30%食べ物は捨てています。ですから、私自身ももちろん当然そういういっぱい前科はあるんですが、冷蔵庫で期限が来てしまった食べ物をいかに捨てているか、そういうことは皆さんもよくご経験なさるでしょうし、電気だってこんな明るい必要ないんじゃないかと。廊下につける必要ないじゃないか。むしろヨーロッパなんか古くから取り入れているように、廊下や階段では電気は30秒つければ、自動で消えればいいじゃないかと。トイレの中は、人が入ったときについて出ていくと消えるような、今安く売っていますから、そのようなセンサーをつければいいじゃないかということで、私たちは3割ぐらいの生活をスリムにすることはそんな難しいことじゃないわけです。ただ、その3割の水膨れ部分が何となく生活の豊かさと勘違いしただけでありまして、ですからそういうことを心がけるだけで、例えば日本のCO2の排出量というのはかなり減るだろうというふうに考えています。
でも、いいニュースもありました。けさの新聞に、日本のCO2が昨年は前年比で3%減ったと。わずか3%といっても、日本はすごく大きなもの使って出していますから、それは大変大きなもんであります。2年続けて日本のCO2の排出総量が減ったわけであります。これはいいことです。どの新聞にも、これは不景気のためで、工場が倒産したり、工場が操短したために減ったと書いてありますけど、そうじゃないと思います。それもあるでしょうけども、やはり私たちが努力したんだろうと思います。この後シンポジウムでいろんなお話出てきますが、やはり皆さん努力すればこういうことは可能であると。その努力の一つの方法として、私たちのむだを全部チェックし直そうと。その中に、きょうのテーマであるISO14000というのが大変大きな武器になるというお話が後で出てくると思いますが、じゃここで皆さんにスライドを見ていただいて、実は最近これだけ地球がおかしくなっているんだということを実際に見ていただきます。