ウ 「みる」観光から「体験・交流する」観光へ
時代の潮流で述べたとおり、近年のライフスタイルの多様化によりゆとりや心の豊かさへの関心が高まる中、従来のままの大勢の人が訪れるだけの観光では、本当の意味での交流や、地域の発展に十分貢献するとはいえず、いい換えれば「ゴミが増えるだけの観光」に他ならない。
訪れた人が地域の自然や、地域の人々の温かさを本当に楽しみ、農作業やアウトドアスポーツ、地域の伝統芸能などに体で触れ、体験する観光が今後ますます重要になってくる。
ワーキングホリデーやグリーンツーリズム、農山村留学はまさにこうした心の豊かさへの志向の現れであり、都会の人々との交流をつうじて、素晴らしい環境での生活提案をすることにより、ひいてはUターン、Iターンを促進し、地域に活力を取り戻すことへと繋がってくる(図表4-14)。
中球磨地域においても、既に一部で農作業体験農園や、都市住民との交流など、このような動きがみられるところであるが、球磨川や周囲の山々などその恵まれた自然や、ビハ公園オートキャンプ場や高山運動公園といった体験交流施設を十分に活用しつつ、訪れた人が中球磨の良さを体験できるような多様なメニューを整備することが可能であるし、また、期待されるところである。