(イ) 港湾防災拠点の定義と耐震強化岸壁に期待される役割
a 港湾防災拠点の機能構成
「地震に強い港湾のあり方に関する検討調査」(運輸省)では、港湾における防災拠点の施設構成として、「避難緑地等から構成される多目的に利用可能なオープンスペースと、これに隣接もしくは近接する耐震強化岸壁及び背後地域の輸送ルート」を基本としている。
また、港湾の特性により
(a) 人流系
・総合交通ターミナル機能
・緊急交流拠点機能
・復興情報センター機能
(b) 物流系
・救援物資受入機能
・物資受給調整機能
・方面別荷捌き機能
の大きく2つに区分した上で、必要となる施設を選択、充実、整備していくこととしている。
b 耐震強化岸壁の範囲
「地震に強い港湾のあり方に関する検討調査」(運輸省)では、阪神・淡路大震災の経験を踏まえ、耐震強化岸壁の整備対象施設、整備目的及び対象地域(港湾)は、図表1-19のとおりに定めている。
このうち呉港に該当するのは一般ふ頭であり、耐震強化岸壁の目的としては、緊急輸送機能の確保とされている。