第2章 白浜町における観光関連産業の特徴
1 観光関連産業の広がりと町の経済活動に占める位置づけ
(1)上位計画における地域整備方針と観光産業の位置づけ
上位計画として、「ゆとりと充実 輝く和歌山新時代」を基本目標に、平成22年度(2010年度)までを計画期間とする和歌山県長期総合計画「わかやま21世紀計画」(以下、県総合計画という。)が、平成10年2月に策定されている。
その施策の基本方向である「想像力あふれる産業づくり」の中で、観光の振興・リゾート整備を図ることになっており、具体的な施策として魅力ある観光・リゾート地の形成、自然の保護と活用、観光・リゾート基盤の整備、誘致活動の展開促進、振興体制の強化が掲げられている。
特に平成11年度(1999年度)から平成13年度(2001年度)の計画期間における第1次中期実施計画(以下、実施計画という。)では、「紀の国ふれあいリゾート構想」として、南紀熊野体験博の開催、海洋リゾート拠点の形成、森林・文化リゾート拠点の形成、国際観光・リゾートの推進が主要プロジェクトとなっている。
一方、平成17年(2005年)を目標年次として平成8年6月に策定された同町のまちづくり総合計画では、施策大綱のひとつである「調和のとれた活力ある産業のまちづくり」のなかで、観光・リゾート産業の振興を掲げ、観光・文化施設の拡充と整備、自然環境保全と整備、観光拠点のネットワークなどを主要施策としている。
(2)観光関連の地域整備計画と期待すべき効果
県総合計画では、県内を6つの圏域に区分し、圏域毎に地域計画が策定されており、同町が属する田辺圏域では、観光・リゾート拠点の形成を図ることになっている。
実施計画期間中に行われる同町に関する施策・事業としては、“燦”黒潮リゾート構想の推進、白良浜周辺整備事業、南紀熊野体験博の開催などがある(図表2-1参照)。