北海道内の大学の学部別定員構成は、教育学系、農学系、水産学系が全国平均を大きく上回っていたのに対して、経済学系は水準を若干下回っていた。とくに道東地域では、経済学系は北見市にある北海学園北見大学の商学部(定員150人)があるだけで、当地域に経済学系の大学を設置することが必要とされていた。また、当時、釧路管内における短大及び大学の進学状況は、進学者全体のうち経済経営学系の占める割合は、昭和60年度17.2%、昭和61年度19.4%ときわめて高い割合であった。
昭和59年度に実施されたアンケート調査によると、市内の父兄のうち、経済経営学系を希望する者が22%を超え、最も多くなっていた。さらに、各事業所を対象とした結果でも、大学を設置するにあたり採用を希望する学部としては、経済経営学系が38.5%で最も多く、また過去の採用実績をみても43.8%と最も高い割合であった。
以上のことと、地域活性化の原動力となる人材の養成という点を踏まえ、大学は経済学部の設置を決定した。
ウ 人材育成の視点
当時、市内で人材養成を担っていた高等教育機関としては、工業高等専門学校のみであったが、地元に就職する卒業生は少なく、人材確保が難しかった。当地域においては、高等教育を受けた者の割合(高等教育装備率)が低いことから、地域の振興に資する人材の養成が急務となっていた。
大学の理念として、「地域杜会に結びつき開かれた大学」をかかげ、地域に貢献しうる人材の養成が、ひいては我が国の文化と経済の発展に寄与すべき人材の養成につながるという視点に立ち、学科目の編成に当たっても地域経済関係科目を多く取り入れた。
エ 大学間等の連携・協力
平成11年6月、地域経済研究センターを発足させ、地域にとって必要な調査研究を、民間、行政、大学等の関係機関からの依頼によって受託研究、共同研究を進めることとしている。