ア 大学誘致(設置)への取組の経緯
高知県には、当時高等教育機関として3大学4短期大学があったが、工科系の学部を持つ大学はなく、その早期の設置を強く望む声が県民や産業界などからでていた。民間サイドで、「工業大学(工学部)をつくる会」と「高知情報工科大学創設協議会」の二つの団体が、それぞれ設置に向けて活動を続けていた。
しかしながら、国立高知大学への工学部の設置については、県として国に対する要望事項の一つにあげていたが、海洋学部や大学院の設置あるいは農学部の充実といった高知大学側の計画の後押しにとどまり、高知工業高等専門学校の昇格、外国大学の誘致といった動きや構想もあったが、いずれも実現に至らなかった。
こうした動きの中で平成3年12月1日、橋本大二郎氏が知事選挙で「工科系大学の設置」を選挙公約の一つとして掲げ、31万票あまりを獲得、初当選した。これを機に、工科系大学設置の取組が知事のリーダーシップのもとに本格的に始まった。