商業は、郊外型の大型小売店舗が各地に立地し、中部圏域としての商業の吸収力は急速に高まっている。商圏は、沖縄市が圏域一円の広域商圏を形成しているが、北谷町や具志川市においても広域商圏が形成されつつある。宜野湾市、石川市、嘉手納町においても地域拠点型商圏が形成されはじめている。とくに、近年は、北谷町の臨海部にアミューズメント機能を有する商業集積が進み、本島全域を範囲とする広域商圏を形成しつつある。
(10) 観光・リゾート産業
中部圏は、古くから伝統行事や伝統文化を大切にする地域であり、各市町村において、多くの伝統芸能や城跡、御嶽があり、エイサーや闘牛などのイベントが盛んに行われている。また、スポーツ施設やレジャー施設が整備され、プロ野球等のキャンプ地としても利用されている。さらに、長い米軍占領の期間において特異な文化をつくり、異国情緒豊かな地域が形成されている。しかし、中部圏の観光は、素通り観光であり、国際性豊かな中部文化など他にみられない独自の生活文化を活用した観光の振興が望まれている。このような中、沖縄振興開発特別措置法において県内に8つの観光振興地域が指定されているが、中部圏においては北谷町西海岸地域が指定されている。
ホテルの収容人員をみると、全県に占める割合は宜野湾市が7.3%、沖縄市が5.9%となっている。現状の中部圏は素通り観光になっているが、都市型アメニティー施設については、中部圏には沖縄こどもの国や東南植物楽園などの集客力のある施設がある。
コンベンション機能については、沖縄コンベンションセンターが宜野湾市に立地しており、コンベンション機能の一大拠点となっている。歴史・文化機能については、勝連城跡、座喜味城跡、中城城跡等の歴史的遺産があるが、美術館、博物館などの広域的な文化施設が少ない状況にある。