(7) 農林水産業
農業についてみると、広大な米軍基地の存在により農用地が限られているのに加え、就業者の他産業へ流出、近年の著しい市街化の進展に伴い、農用地はさらに減少している。しかし、農業生産基盤整備の進展や近代化施設の導入など、農業に対する取組が強化され、付加価値の高い菊やランなどを主体とした花き及び熱帯果樹などの生産が増加傾向にある。
水産業は、漁業生産基盤の整備は進んでいるものの、漁船の大型化や高速化が進展せず、漁獲量は総じて伸びていない。近年、モズクや魚介類などのつくり育てる漁業への展開がみられる。
(8) 製造業
本圏域では、中城湾港新港地区の開発が進み、鉄鋼や家具、飼料、食料品など各種製造業をはじめ、工業技術センターや頭脳立地法に基づくトロピカルテクノセンターを核とする研究施設や情報産業の集積が進展し、今後、流通及び工業開発拠点としての発展が期待され、新たな雇用機会の創出が見込まれる。
また、中城湾港新港地区工業団地内には沖縄特別自由貿易地域が予定されており、関連企業の立地により産業集積が進むことが期待されている。
(9) 商業
小売り商店数は、1991年の7,429軒が1997年では6,259軒と1,170軒減少した。これは大型店舗の進出や、店舗の大型化の進行などの影響による。従業員数でも、1991年31,642人で1997年28,024人と3,618人減少している。一方、1991年には4,847億円あった年間販売額は1997年には5,071億円となり、大幅に増加している。とくにに、具志川市、北谷町、西原町などが大きく増加している。
商店総数は減少しているものの、大型店舗の進出や店舗の大型化により、沖縄市や宜野湾市、具志川市、北谷町などに新たな商業拠点が形成されている。今後は、既存商店街の整備の進展や商業機能の拡充、商業サービス需要の拡大などにより、商業活動の活性化が見込まれる。