(4) 地域に開かれた大学
大学が地域活性化の拠点になるためには、知的資源としての大学が地域に開かれていなければならない。生涯学習、職業人のリカレント教育など、地域社会のニーズはますます高まることが予想され、例えば学生の半分は社会人といった姿も、これからの大学に求められる姿の一つとなろう。また、研究成果の地域への還元、学問的なものと地域での実践的なものとをうまく連携させるなど、地域にとって実際に役に立つ大学になるなど、大学がオープンで地域におけるコーディネーター機能を果たすことが望まれる。
さらに、地域活性化に向けて例えば都市研究、社会福祉研究、地域文化の研究などを通して、産官学が連携できる知的拠点として、大学がまちづくりの前面に立ち、地域の先導役を果たしていくことが望まれる。
(5) オープンで柔軟な教育システムの導入
高度情報通信技術の発展により、人工衛星を利用した遠隔講義や大学間の相互認定制度の導入など、教育システムもネットワークを中心とした新たな形態が生まれており、このことは今後、ますます進展することが予想される。
中部圏において、今後、新たな大学の設置に向けての検討や取組がなされるとしたら、高度情報通信システムを最大限に活用し、住民や企業人の教育機会へのアクセス性の高い、従来の大学イメージとは大きく異なったオープンで柔軟な教育システムを導入を、まず、模索すべきである。
4 望まれる人材育成分野
序で述べたように、中部圏おける人材の育成・確保に関わるキーワードは種々あるが、これらの中からとくに取組を図るべきと思われるものをいくつか選び、以下に、大学等高等教育機関の整備に係る人材育成領域を例として示す。