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3 大学整備に望まれる基本事項

 

(1) 産業の高度化、多様化と創業を担う人材の育成

産業の高度化、多様化と創業を担う高い専門性を備えた人材の供給拠点として大学は機能する必要がある。大学新規卒業生の36%が無業者となっている現状を考えると、この点はとくに留意しなければならない。とくに、中城湾港新港地区には工業用地などの産業基盤やトロピカルテクノセンター、工業技術センターなどの研究開発拠点が立地するなど、産業界と教育機関の連携が図りやすい特性を持っていることから、産業振興に寄与しうる研究・教育機能を備えた研究学園都市の整備が、中部圏の将来像の一つとして明確に位置づけられることが望まれる。

 

(2) 国際的環境、基地内資源を活用した国際的な人材の育成

中部圏の大きな特徴である優れた国際的環境を活かし、国際的な視点、事業力や行動力を持った人材を育成・確保する教育システムを備えていく必要がある。そのためには、現在進められている関連構想との連携を図りつつ、基地内の資源(基地内大学、基地内の専門家等)を活用することも検討する必要がある。

 

(3) 情報通信基盤・技術を活用した高度な専門人材の育成

同時に、今後ますます高度化、多様化する情報通信技術を有効に活用できる情報通信基盤を備え、情報通信に対するリテラシーを育成する教育システムを備える必要がある。すなわち、今後、学問の学際化、文理融合化がますます進展していく中、情報通信技術をツールとして活用し、コンテンツを重視し、専門分野を深化していく必要がある。

また、このような情報通信技術をツールとして活用し、専門分野における海外とのネットワーク交流など、国際的な視野やノウハウを身につけられる環境整備が望まれる。倒えば、情報通信技術を活用した海外の大学などとの遠隔講義など、国際連携を積極的に図っていく必要がある。

さらに、情報通信技術を活用し、リカレント教育、企業人の再教育などにおける利便性の向上に結びつけていくことも、今後ますます求められてこよう。

 

 

 

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