(1) 産業振興、雇用創出に寄与する領域
高い失業率のもと、産業振興による雇用創出が大きな課題となっていることは、すでに述べた。県では、沖縄経済振興21世紀プラン、沖縄県マルチメディアアイランド構想、新事業創出促進法沖縄県基本構想などにおいて、観光・リゾート産業、情報マルチメディア産業、健康関連産業などがリーディング産業に位置づけられている。
このような県の産業振興策と連携し、起業や市場開拓ができる高度の専門性を持った人材が望まれている。例示すれば、情報マルチメディア関連、ベンチャービジネス、国際ビジネス、経営情報、健康・スポーツ科学、食品科学、エンターテイメントクリエーションなどの分野をあげることができる。
(2) 地域のニーズに対応した専門領域
地域ニーズからみた高等教育機関に期待される専門領域としては、高齢社会の到来やクオリティオブライフ、ウェルネス志向(健康、生きがい、交流などのトータルイメージ)などを背景として、健康・長寿学、少子・高齢社会学、保健・医療・福祉情報科学、人間科学、地域文化の発信、文化の産業化など地域活性化に向けたコーディネイト学、生活文化学、地域文化学、地域経営などの分野をあげれる。
(3) 生涯学習社会への対応
社会が多様化・高度化してくるにつれて、新しい知識の獲得、リニューアルが求められてくる。また、成熟社会においては、学ぶことが自己実現、生きがいに強く結びついている。このような生涯学習ニーズに対応でき開かれた教育システムが強く望まれことから、職業能力開発講座、各種資格講座などをあげることができる。
また、高度の情報通信技術を背景として、教育システムも情報通信ネットワークを活用した多様な教育システムの構築が望まれる。