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リゾートホテルに宿泊し、ホテル前のビーチで楽しんだり、観光バスで戦跡その他のポイントを巡る一般的なパターンの観光・リゾートの形態は、客と地元住民との交流やふれあいの機会がほとんどないままにある。すなわち、沖縄では、とくに沖縄本島では、体験したり、交流したりと言った仕掛が乏しく、一方通行のままにある。したがって、中部圏としては、国際性などの資源的優位性を活用し、街の中に来訪者が自然ととけ込める仕掛けづくり、来訪者と住民とが一体となって楽しみ、ふれあい、行動する環境づくりへの取組強化を図ることが肝要であろう。そして、このための役割をさまざまな立場から担う人材をいかに育成・確保するかが、問われている、と言えよう。

 

(5) 情報通信、少子・高齢化

近年、東南アジア各地で情報通信産業の取組が進み、関連産業の集積やビジネスチャンスの拡大なども目立ち、東南アジアの情報通信ネットワークの拠点(ハブ)が形成されそうな勢いが見受けられる地域もあらわれている。しかし、その産業立地を考えると、沖縄は、“暖かさ”や“住み心地の良さ”の面で勝るので、シンガポール、マレーシア、韓国や香港などよりはるかに有利な条件を持っている。

そうした有利性についての認識のもと、沖縄においては、上述の基地と観光・リゾートの二本柱からの構造転換に向けて、情報通信産業への注目が高まっている。県が取り組み中の沖縄振興21世紀プランの中間報告段階で生まれた「沖縄国際情報特区構想」は、情報通信に関する東南アジアの拠点を沖縄に、という構想である。この構想具体化に向け、国(郵政省)は、今日までにすでに数回の研究会を持っており、今後さらに具体化が図られる予定になっている。なお、中部圏においては、中城港湾地区が情報通信産業特別地域に指定され、関連企業などの立地が期待されている。

 

 

 

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