■能勢街道
大阪と近世庶民に信仰のある能勢妙見を結ぶ街道で、東西に走る西国街道に交差し池田を南北に通ずる道である。妙見堂は標高622mの妙見山上にあり、天正年間(1573〜1591年)能勢頼次が築城に際して守護仏として祀ったものである。池田は、妙見堂まで山道約四里で、大阪との中間にあって、近代交通機関の整備以前にはその中継地的な役割を果たしていたものである。ここにも近世、池田繁栄の一因がみられる。また、この能勢街道を利用して、池田で集散された炭や特産である細河の植木なども荷車や馬に載せて大阪方面へ搬出されていた。池田から大阪への道順は、上池田−あわんど−刀根山−豊中を経て、神崎川を越え大阪に至るものであった。栄本町付近では、街道沿いに町家が建ち並び江戸期は流通拠点として、明治から昭和初期にかけては小売業の繁栄によりにぎわった。
現在も池田文庫や明星大明神(星の宮)前をはじめとする街道沿いに、石造の道標が多く残されている。また当時の道の形状も残されており、街道としての風情が色濃く感じられる。