2] 車でのアクセスがしやすく、幹線道路に面していればなお良い。また、ICのそばであるということは、広域からの誘客もできるという条件を持つことになり、特に最近の外資系のSCでは大きな条件の一つにしている。ただし、一般のSCであれば高速道路を利用してまで来店するというのは難しい面があり、より魅力的な誘因条件が無ければ効力を発揮しえない。
3] 大店立地法の施行をにらんで、居住地域からは極力離れており、住民の日常生活にはあまり影響が出ない場所が望ましい。
(4) 四街道IC周辺地区におけるSC立地可能性
ア SCの業界動向からみた立地可能性
我が国の商業市場は、今日「売手市場」から「買手市場」に移行し、買手の視点から事業を構築していく必要性に迫られている。そのことは別の見方から捉えると、一般的には好ましくない言葉として使われるオーバーストア(過剰店舗)という状況にあるともいえる。しかしながら、それは売手側の発想であり、買手の発想ではない。買手にとっては、比較購買ができる店舗やSCがたくさんあることが良い条件であることは言うまでもない。SCの立地が一通り落ち着き、ありとあらゆる業種・業態が立地し、買い物の選択の幅が著しく高まり、高満足レベルで買い物ができる状況になったとき、いわゆる流通飽和状態が訪れたとき、オーバーストアという状況は生まれる。現在の市場をみても、そういった飽和状態にあるとはいえず、また十分なマーケットボリュームがあれば、競合相手はいくらいてもかまわないと考えている商業者も存在する。今のところ一般的にはオーバーストアとはいえず、予測ではオーバーストアの到来は、2010年頃とみられている。
また、この業界の特性からみると、オーバーストアといわれる状況が出現しても、新規出店が停止して静態的な市場環境が形成される可能性は無いと考えられる。したがって、現状では、四街道市及び立地する土地の特性を十分に生かした展開であれば、四街道市におけるSCの立地可能性は十分にあると判断される。
イ 市場条件等からみた立地可能性
本計画対象地域は、高速道路のICに隣接し、計画対象地域から直線距離で10km圏域をとると千葉市を含めて周辺の佐倉市、八千代市等を含み、人口としては100万人が定住している(図表3-18)。
また、高速道路を利用した1時間圏域をとると、北部方面では霞ヶ浦周辺、西部方面では東京中心部から横浜あたりまで含むことになり、膨大な人口集団を擁することになる(図表3-19)。すなわち、一般的なSCの立地条件からみる限り、十分に市場性を有した地域であるといえる。
その一方で、四街道市の周辺は、千葉市のほか佐倉市、八千代市等、大規模小売店舗立地ランキングで県の上位に位置する自治体がひしめきあう激戦区であり、後発としては特色づくりが強力でないと競合には勝てないことも十分に考えられる。