来店者の内訳をみてみると、桑名市以外が85%と、広域的に集客している現状が伺える。県別では、三重県内約50%、愛知県31%、岐阜県17%となっている。このように、広域的な集客をする郊外型のSCの場合、平日に比べ週末の来店者が多いのが特徴で、アピタ市原は、平日20,000〜25,000人に対して、日曜日には50,000〜60,000人の入店実績を記録しており、トリアス久山の来店者の平日:休日の割合は、1:3となっている。
近年の消費者の志向としては「時間消費型」が顕著となっており、家族で来て半日程度は楽しめることが、来店の大きな動気づけになりつりある。特に週末にその傾向が強い。マイカル桑名の例をとると、来場者の平均滞留時間は、平日で2時間40分で、休日になるとその1.5倍程度にもなる。来店目的は、買い物とその他(映画鑑賞等の時間消費)が約半数ずつとなっている。アピタ市原でも同様の傾向を示しており、平日は主に食品の買い物を目的とした滞留時間30分程度の来店者が多いが、土・日曜日になると食品のほかにその他の物販や食事も加えた来店者が多くなるため、1〜2時間滞留する割合が高くなっている。マイカルが目指しているような「アミューズメント型」のSCへの流れは、今後より加速すると予想される。
また、今後の高齢化の進展に伴い、「高齢者」関連市場が大きなターゲットとして重要性を増してくると思われる。
エ 地元との調整問題
大規模小売店舗法の規制緩和以降、地元との大きなトラブルはほとんど見られなくなった。現在は、来年から施行される大規模小売店舗立地法の運用がどのようになるのか、いまだ十分には見えない部分がある。このため、今年度新法施行前の駆け込み申請が増加する一方、来年度からは模様眺めの状況が当分の間続くものと思われる。
また、大規模小売店舗立地法は、住民生活環境の保持が目的であり、交通や環境への配慮が今以上に求められるため、今後ますます郊外での立地が促進されると予想される。
オ 立地の条件
商業施設を立地させる条件としては、以下の3点がポイントとなる。
1] 広い土地が安く確保できること。駐車場で最低1,000台以上は必要となる。女性ドライバーにとって立体駐車場は抵抗がある場合が多く、極力平地で面積がとれることが重要である。