ウ 地価負担力からみた立地可能性
計画対象地周辺は現段階での地価は、1坪あたり概ね15〜30万円程度である。今回事例研究の対象とした「アピタ市原」では1坪あたり30万円で土地を購入しており、SCが決して手が出せない価格帯ではない。しかし、初期投資を極力抑えたいという企業側の意識も強い今日、賃貸等による整備方式も念頭においておく必要がある。
エ 中心商業市街地との関係からみた立地可能性
現在四街道市においては、中心商業市街地の未利用地を活用した商業施設の建設が検討されている。先にも言及したとおり、SCはいまだオーバーストアといわれるような状況にはなく、立地特性を生かした整備が今後も継続する状況にある。
桑名市では、市街地中心部にアピタ桑名、郊外にマイカル桑名が進出している。アピタ桑名は、地域密着型の商品構成で、食品部門の物販を中心に、地元の人が自転車で気軽に立ち寄る商店として根付いている。他方、市中心部から離れた東名阪自動車道の桑名IC近くに位置するマイカル桑名は、桑名市外からの集客をターゲットにしたエンタテイメント性の強い店舗展開をすすめており、それぞれ順調な売り上げを記録している。桑名が示唆しているように、本計画対象地域のような郊外型と中心市街地商業施設との棲み分けは、四街道市においても成立し得ると思われる。すなわち、中心市街地には平日夕方に買い物をする最寄り品を中心として、一部に買い回り品を備えたトラディッショナルタイプ「ネイバーフッド型」あるいは「リージョナル型」のSCタイプを配置する。一方、本計画対象地においては、郊外という立地特性、高速道路のICとの隣接性等を生かしたエコノミータイプ(アウトレットセンターやパワーセンター等)、あるいは成田と東京を結ぶ軸上の立地性を生かしたテーマタイプのSC等の展開を考える。このようにそれぞれの優位性を発揮する商業形態を導入することにより、これら2つの地域への商業機能の導入は十分に可能である。