(イ) 富里インターチェンジ(富里町)
富里町内には鉄軌道のターミナルがなく、現状、中心市街地が形成されていない。このためIC周辺を町の玄関口として公共施設エリア、大型近隣公園づくりをしながら商業核を整備するため、町施行の区画整理事業を計画中であり、当面は、下記の2つが計画されている。
1] 南新木戸地区
事業面積10ha(地権者16人)で計画決定済み。事業計画の縦覧が終了し、意見が出た段階にある。計画上のスケジュールは、平成11年度中に認可を受け、平成12年〜15年の間に工事を実施する予定である。
用途指定は準工業地域であり、事業後も同じになる予定である。
土地利用は、現況では未利用地が多く、一部、駐車場や農地に使われている。区画整理後は、沿道系のサービス業と商業・業務系の開発を中心に考えており、住宅地としての開発は困難と想定している。また、成田市の大型店(イトーヨーカ堂、ジャスコ)の立地の影響により、商業・業務系開発の実現性は異なってくることが考えられている。
企業誘致という点では、バブル期は70万円/坪で取引された地価の高騰が障害となっている。現在は、事前鑑定額では16万円/m2、取引実績では40万円程度/坪となっている。
商業系の企業の場合、進出条件として、賃貸を希望するところが多いが、現在の計画では、売却予定地の面積が大きく、しかも、計画地の中心部にあるため、これを処分することが必要になっている。
2] 北新木戸地区
事業面積31ha(地権者78人)で、調査中である。計画上のスケジュールは、平成13年度中に認可を受け、平成20年度までに完了を目標としている。地権者は8割程度が賛同している(面積ベースでは9割程度になる)。土地利用は、現況、自動車販売店のほか沿道系の商業が若干ある程度である。整理後の機能整備は、南新木戸地区と同様の方向になると考えている。
IC周辺の整備方針としては、物流系の話もあり、「富里町流通タウン構想」(平成9年)としてまとめられている。現在は区画整理地区近傍の283haで構想されており、中に物流機能が含まれている。
(ウ) 佐倉インターチェンジ(佐倉市)
佐倉インターチェンジは、市の中心市街地の南部に位置し、地区全体が市街化調整区域となっている。
現況はICにつながる街道に住宅が張り付き、一部、資材置き場等の施設が立地している。農地は、耕作放棄されている地域が少なくない。
市内にはJR・京成併せてターミナルが6駅あり、既に3つの都市核(佐倉、臼井、志津)がある。そのため、市の基本計画(平成6〜12年)においては、この地域は工業系中心の開発による“南部生活圏の中心”の形成が指向されている。具体的な開発イメージはないが、工業系を中心に、住宅と居住者対応の商業・業務機能の整備を図ることにより、地元住民の就業の場、安定税収の確保を目指している。