介護保険では、このうち入浴、排泄等の用に供する特定福祉用具が購入できるとともに、9種目が貸与対象となっている。
(2) モデル地区のサービス比較と問題点・課題
・モデル地区では、対応種目や対応形態(給付あるいは貸与)は自治体によって異なっている。
・現行システムでは対象種目は特定機種に限定され、画一的な商品しか利用できず、利用者の身体状況に併せた選択、改修に対応できていない。
・供給システムは、大宮市と東松山市は民間企業に委託し、小鹿野町は直営対応するが、民間企業委託では、「説明不足」が問題点となっており、直営では、介護保険導入後の保有福祉用具の料金設定等が課題となっている。
モデル地区の対応状況は図表3-14のとおりである。現在の国庫事業対象種目のうち、「緊急通報装置」と「老人用電話」、「痴呆性老人徘徊感知器」は本編第5章で取り上げたため、ここでは省略した。
注:( )書きは介護保険における名称
このほかの対応状況をみると、東松山市が全種目に対応するが、大宮市は8種目、小鹿野町は6種目の対応に留まっている。また、国庫補助対象種目以外に、いずれの地区も紙おむつの給付を行っており、大宮市は「シルバーカー」を対象種目としている。
対応形態は、厚生省の定める対応形態に対し、東松山市が独自にマットレスなどを貸与対応するとともに、小鹿野町では対応種目すべてが貸与対応である。
自治体独自の対応種目もあるが、対応状況や対応形態は自治体によってかなり異なり、東松山市の利用状況をみると、全種目が必ずしも利用されているわけではなく、それぞれが利用者の状況等から、対応種目や対応方法を決定、工夫しているものと思われる。