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モデル地区のホームヘルプサービスの実施状況は、図表3-7のとおりである。

大宮市は、市の外郭団体である財団法人大宮市在宅ケアサービス公社と社会福祉法人等にサービスを全面的に委託し、東松山市は身体介護と家事援助を直営実施するが、予算の7割にあたるサービスを社会福祉法人に委託し、同法人が24時間巡回型、夜間・早朝型サービスにも対応している。小鹿野町は直営で、身体介護中心に、家事援助、夜間・早朝型サービスにも対応している。

 

図表3-7 モデル地区サービスの実施状況

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注:○はサービス実施しているもの、◎はサービス実施のうち最も対応の多いもの

 

行政あるいは行政に近い市の公社は家事援助サービスを中心に行っており、専門性を必要とする身体介護や、24時間巡回型、夜間・早朝型サービスが外部に委託される傾向がある。

モデル地域におけるサービス委託はすべて社会福祉法人等に限られており、社会福祉協議会及び民間企業等への委託はない。

現行システムにおける問題点・課題は図表3-8のような回答であった。

東松山市の24時間巡回型サービスの移動時間と、これまで行政サービスを無料で行ってきた小鹿野町の料金設定の課題は、介護保険導入後の対応として自治体が現在対応を迫られている大きな課題であり、その対応が検討されているものと思われる。

このほか、本サービスの問題点の一つが、介護保険対象領域にも関連するが、「何でもかんでもやってもらえるお手伝いさん」という勘違いがある一方、経管栄養や導尿手当等の医療行為にも要望があるなど、サービスの内容が利用者に十分には理解されているとは言い難い状況にあることであろう。

現在、医療行為の実施は法律で規制されており、医師の指示を受けた看護婦や家族は対応できるが、ホームヘルパーは対応できないことになっている。

また、サービスが「人的サービス」であるため、避けようのない「相性」問題や「金銭や物品の紛失(実際の紛失/勘違い・思い込み)」問題などの指摘が多い。

行政が申込に対応できなかったケース(住民ニーズとの対応上の問題点)をみると、「日中独居者の話相手、見守り」や「移送介助」、「掃除・洗濯」、「買い物」、「病院での食事介助」など、身体介護サービスではないが、「あると助かる」といった家事援助・生活支援領域のサービスであり、こうしたサービスは「突発的」に発生しやすく、行政がサービス対応しにくい側面があるのではないかと思われる回答結果である。

 

 

 

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