(2) モデル地区のサービス比較と間題点・課題
・3地区ともデイサービスの基本事業である送迎サービスを同自治体の保有車輌を用いて実施するが、そのほかの高齢者保健福祉施設への入退所時送迎サービスの実施はない。
・介護保険制度導入に伴ない、自治体では保有車輌の利用方法が、車輌を持たないデイサービスセンターでは送迎サービスの実施方法が問題となっている。
・デイサービスセンターの種類等によって、送迎サービスにはさまざまな車輌が利用されている。
・3地区とも身体障害者手帳あるいは療育手帳を持つ対象者に福祉タクシー券を発行(利用料金一部補助)するほか、自治体あるいは社協が保有(あるいはリース契約)する「福祉車輌(前述移送用車輌と同義)」を個人利用できるシステムを採用している。
・福祉車輌の個人利用は利用量が少なく、行政は間接関与で、車輌を貸出し、運転手を利用者が手配するシステムを採用している。運転手を手配できない場合はボランティアや高齢者事業団等を紹介するなど工夫するが、保険加入はあるとはいえ、行政としての事故責任の取り方に不安を残す。
・大宮市の個人利用では、通院やリハビリ等で固定された日時に予約が集中する傾向があり、利用増に伴なう車輌不足が懸念されるほか、要件を外れた高齢者の通院利用希望等があるなど、顕在化しつつある外出支援(移送)ニーズヘの対応が課題となっている。
3地区の移送関連サービスの実施状況は図表4-1のとおり、いずれもデイサービスの基本事業である送迎サービスを実施するが、そのほかの高齢者保健福祉施設への入退所時の送迎サービスの実施はない。