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ウ 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)における問題点

現在、本市が抱えている問題の一例として、「ペットボトルの“ミスマッチ問題”」を代表とする容器包装リサイクル法の問題についての切実な課題を述べる。なお、本問題は本市のみならず一般廃棄物の収集が固有事務となっている市町村にとって非常に深刻な課題となっているものと考えられる。

 

(ア)容器包装リサイクル法とは

平成元年度以降、我が国では、毎年年間約5,000万トンの一般廃棄物が排出されている。「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」では、一般廃棄物は市町村で処理を行うこととなっており、市町村が一般廃棄物を直接又は間接的に収集し、中間処理を行い、最終処分することが一般的である。中間処理の中心は「焼却処分」であり、これにより一般廃棄物は安定化され最終処分場において処理されているが、最終処分場の残余年数が全国平均で約9年と逼迫している状況が続いている。

一方、一般廃棄物の中間処理の1つに「再資源化」がある。市町村が資源ごみとして回収や中間処理の段階で再資源化している割合(リサイクル率)は一般廃棄物全体の約10%であり、産業廃棄物のリサイクル率(約38%)に比べると低い状況にある。

さらには、一般廃棄物の中で、容積比にして約6割、重量比にして約2割を占める缶、びん、ペットボトル等の容器やプラスチック製、紙製の包装が廃棄物となったものについて、技術的にはリサイクルが十分可能であるというような状況を受けて、廃棄物の減量化を図るとともに、再資源としての利用を確保するため、「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)」が平成7年6月に制定され、平成9年4月から一部施行(平成12年4月完全施行)された。

同法では、市町村、消費者、事業者の各自に責任を分担させており、消費者は分別排出、市町村は分別収集、事業者は再商品化の責任をそれぞれ求めている。特に市町村は、分別収集して、分別基準適合物として圧縮・梱包のうえ指定法人((財)日本容器包装リサイクル協会)に引き渡すことができるとなっている。

この再商品化の流れの中で、市町村の役割の分別収集というのは、非常に経費のかかる部分である。分別基準適合物として圧縮梱包のうえ指定法人に引き渡すという過程で、収集運搬での経費、あるいは圧縮梱包のための施設整備、それを指定法人に引き渡すまでのストックヤードの整備を含めると膨大な経費が必要になる。本市では昨年4月に、分別収集した缶、びん、ペットボトルを自動選別し、圧縮・梱包する施設を整備したが、その施設だけで37億円の経費がかかっている。

 

(イ)ペットボトルの“ミスマッチ問題”

近年、ペットボトルの生産量は急増しており、ペットボトル協議会の資料によると、平成8〜9年では27%増加、9〜10年では29%の増加となっており、平成11年については16%の増加と推計されている。

 

 

 

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