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しかしながら、平成11年度については、本市の回収実績をみれば上半期だけで既に平成10年度実績の84%に達しており、ペットボトルが生産あるいは排出段階で非常に急激な伸びを見せていることが推察できる。一方、びんは資源化量全体の中で占める割合が昨年、重量比で約40%を占めていたものが今年は半分近く(20%強)に減少しており、恐らく生産段階でペットボトルの方へ移行しているのではないかと考えられる。実際、コンビニエンスストアやスーパーでの飲料容器の急激なペットボトル化、さらには、当初1.5リットルや2リットルという大きなものが大半を占めていてたものが、最近では500ミリリットルあるいは350ミリリットルといった携帯可能な小型のものが流通し始め、しかもそれらの一部が既に自動販売機にも登場しているという状況でもその急増は容易に推察できる。

このようにペットボトルが急増する中で、市町村が容器包装リサイクル法に基づいて設立された指定法人に引き取ってもらうペットボトルの量は、当初の見込み量をすでに越えているという状況にある(全国ベースで平成11年度の当初見込み量49,620トンが上半期だけで既に35,000トンになっており、年間を推計すると62,000トンになる)。また、第二期分別収集計画における平成12年度の見込量は全国ベースで72,000トンであったものが、指定法人が各市町村に調査した結果84,000トンであることがわかり、既に16%増の予定となっている。

このような中、指定法人から、平成12年度における京都市からの契約引取量は865.45トンであり、残りについては京都市で適切な対応をすること、とする通知があった。これは、本市の当初の見込み量(1,004トン)の14%の減である。この差140トンは京都市で適切な対応をしなければならず、翌年度以降に先送りということになるものの、ストックヤードの確保も困難な状況であり、仮にストックヤードに保管しても保管による品質の劣化はさけられず、やむを得ず別ルートで民間に委託することとした。しかしながら、当初見込みをさらに上回る現状を考慮すると、140トンを大幅に越える量を独自で処理する必要があるのは必至であり、一時的現象であるにせよ、一生懸命取り組んでいることがこのような形で反映されることに割り切れなさを感じている。本問題については本市同様他の自治体においても切実な問題となっているのではないかと思われる。

 

(ウ)その他プラスチック分別収集等における問題

容器包装リサイクル法では、本年4月からその他のプラスチック製容器包装(以下、その他のプラスチック)あるいはその他の紙が分別収集対象品目となっており、分別収集をすることができることとなっている。これは義務ではないもののペットボトルでの状況を勘案すると、実施していく場合多様な問題を内在しているのではないかと考える。

本市では現在、1,000世帯を対象にその他のプラスチックの分別収集の分別手法調査を実施しているところであるが、その他のプラスチック類には多数の異物が混じっている。とくにその他のプラスチック類の多くが食品と密着しているだけに、分別適合基準に合致させることは非常に厳しく、缶、びん、ペットボトル以上に困難な状況が想定される。例えばマヨネーズの入っているプラスチックボトルは対象にはなるが、もし出すとすれば、内容物のマヨネーズを十分洗浄して出さない限り引き取ってもらえない。このように、その他のプラスチックはありとあらゆるものが対象になるものの、異物混入をしないで出すというのは非常に難しい。

 

 

 

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