イ 土佐市が実施する施策について
土佐市においても、自立・要支援と判定された施設入居者の受け皿づくりと、在宅の要介護者に対する支援充実の必要に迫られており、以下の取り組みを行っている。
(ア) 高齢者住宅
施設から退去を迫られ、自宅へも帰ることのできない高齢者向けの住宅を設置する。
1] H11年1月に10戸竣工
配食対応の厨房設備、NPO向けのホームヘルパーステーション併設
2] 民間医療法人が高齢者住宅を建設する場合の補助金を11年度予算で20戸分(2,000万円)を新設。
(イ) ホームヘルパー養成
現行の高齢者保険福祉計画の目標人数は29人であるが、実際には以下の人数がホームヘルパーとしてストックされている。
◎社協ヘルパー常勤12名(登録約60名)
◎NPO従事可能会員数42名
市では、ホームヘルパーの養成が在宅介護の核になると考え、ホームヘルパーの研修を積極的に実施している。
◎3級ホームヘルパー養成研修214人(実績)
◎2級ホームヘルパー養成研修58人(実績)
今後は、大量に養成した有資格者をいかに雇用に結びつけていくかが課題となっており、事業者へのアンケート調査による情報提供やヘルパー利用者の掘り起こしを行っている。ただし、介護保険のホームヘルパーの時給単価が近傍のパートタイマーに比べて高いため、地域産業の労働事情に影響を与えるのではないかとも懸念されている。
(ウ) NPOの活用
土佐市内の高齢者福祉分野のNPOは2団体あり、1団体は法人格取得済であり、もう1団体は法人格申請中である。両者とも有償ボランティアを行うこととしており、今後、それらの団体による地域に密着したサービス提供ができる体制づくりを、どのように土佐市が推進していくかが課題となっている。