(注) 事業件数は、各年度ごとの当初予算搭載事業件数
(3) 計画策定後のフォロー
コミュニティ策定市民会議は推進会議に改組され、計画のフォローアップと実践活動を行っており、地域における住民自治の中心となって活動している。行政においても、「わがまち・ふれあいトーク」を開催し、計画内容のフィードバックとともに、地域のリーダーと市長が胸襟を開いて意見交換を行う場を設けている。
計画を実現するに当たって、市において「都市美モデル事業」という単独補助事業や融資制度を用意し、計画に沿ったまちづくりを推進している。さらに今後は「まちづくり条例」の制定を予定しており、一層の推進を図ることとしている。
(4) コミュニティ計画の評価と課題
高知市における取り組みは、住民参加の行政計画の実現という点で、大きな意味を持っており、ここまで徹底した住民参加を導入している地方公共団体はまだ数少ないと考えられる。行政トップの英断に加えて、自治意識の高い住民とまちづくりパートナーを始めとした市職員の努力の成果であろう。
もっとも、その高知市であっても、市民会議の作った計画案では主語が存在するのに、最終的な行政計画になると主語が消えて分かりづらくなっている部分が見受けられた。現行方式での限界も存在するのであろうが、今後の市民からの反響や意見等も踏まえ、新たな時代にふさわしい住民参加の行政計画に向けた見直しが期待されるところである。