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論点メモ

 

○都道府県、政令市・中核市・10万程度の市・5000人未満の町が、それぞれ行っている行政サービスは千差万別である。その差異を踏まえつつ、各地方公共団体がNPMの考え方を取捨選択して導入する必要があるのではないか。あくまでも各地方公共団体の特性を踏まえた上での政策評価の活用が必要ではないか。

 

○国庫補助金のように、地方公共団体に裁量権が少ない政策については、その事業の評価が難しい。情報が不完全な場合、事業を行わないことによる損失が当該事業費に係る補助金のみであるか、他の事業にまで及ぶのか不明であったりする。今後、統合補助金等で地方団体の自由度が高まっていけば、内容決定についての責任が増すため、評価の効果が出てくるのではないか。

 

○事務事業評価として、公共事業等に関して事業の進捗を図る指標を採ると、予算があればあるほど伸びる指標になってしまう。地方公共団体において、他の事業を実施すべしという政策プログラム評価(例:「特定施設(特別養護老人ホーム)の整備目標だけに拘らず、他の施策(グループホーム)を活用して政策を実現すべき」という評価)を導入しようとすれば、意思決定システムの改革として、公共事業や規制権限の分権化等の課題は不可避である。

 

○現時点では、組織内の行政の生産効率性をいかにあげるかがポイントの段階である。もっとも、今後、長期計画や予算査定等と連携させた意思決定システムの改革を行わない場合、行政にとって都合のいい対外的な言い訳として政策評価が逆用されるおそれがある。

 

 

 

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