・陸運から海運へのモーダルシフトの最大の障害は港湾荷役である。(A社:一般貨物船)
・陸運から海運へのモーダルシフトの打開策として、RO/RO船、コンテナ船は有効。(B社:一般貨物船)
・価格、デリバリー両面でのJRの優位性が高まったため、海運からJRへのシフトも見られる。(D社:特殊タンク船、一般貨物船)
・内航船は陸との接続に時間がかかり、港湾労働運賃も高い。(G社:特殊タンク船、セメント船、油送船)
・どうしても船でなければ運べないというもの以外はトラックに置き換えらていこう。(J社:一般貨物船)
・海上輸送が陸上輸送よりも高くなる要因は船価以外の要因による。特に、雑貨、コンテナ、RO/ROは港湾労働問題が障壁である。(K社:油送船、コンテナ船)
・1999年度に「モーダルシフト船」の建造が相次いだが、制度上の限界のため、名ばかりで、実態は海から海の代替船である。本来であれば、「エコ・シップ」を助成すべきである。(M社:一般貨物船)
5]海外への中古船売船
調査対象企業の中で最近海外売船を実施した企業が多く見られた。しかしながら、海外売船価格の下落、海外売船件数の少なさにより、現状では国内船腹量調整機能、スクラップアンドビルド促進機能は期待しにくいという点では一致している。国内貨物船過剰感の解消、アジア経済の本格的回復による中古船需要の拡大が条件である。
・海外売船はそれほどインパクトがないであろう。船価が安すぎる、中古船の買い手が不在、が問題点である。(A社:一般貨物船)
・海外売船は量的に少ないため、船腹需給に影響を与えるようなインパクトはない。(C社:油送船)
・海外売船はあまりインパクトはないであろう。価格はスクラップと大差ない。(E社:セメント船)
・海外への売船は過剰な船舶量を削減することが目的であり、スクラップアンドビルドの原動力にはなりえない。(F社:油送船)
・現状では東南アジア経済の低迷、日本の内航船大量売船により市況が軟化。(G社:特殊タンク船、セメント船、油送船)
・中国の中古船市場は回復しつつあるが、中国が求めているような船齢の若い中古船は国内にはない。(I社:油送船)
・従来、中古市場は中国が主要市場であったが、日本の状況は中国側も把握しており、高値での売船は難しい。(K社:油送船、コンテナ船)