3]船腹量需給バランス
最近の減船効果は認められているものの、適正船腹量が大幅に減少しており、需給バランス均衡までには時間がかかるとの見方が多い。また、需給均衡がいつ実現するかの見通しが立たないとの指摘もある。船種別には次のとおりである。
一般貨物船:依然として船腹量が過剰であるとする見方がある一方、鉄鋼輸送の場合、需給が逼迫してきたとの指摘もなされている。
油送船:依然として船腹量は過剰。
特殊タンク船:従来より業界の自主規制があるため、過剰感は少ない。
セメント船:過剰感がある。
・暫定措置移行前時点で2割は過剰であったと見ている。但し、輸送量回復、船腹量減少により、船舶量需給に逼迫感が発生する可能性がある。この場合、安定輸送に支障が出る恐れもある。(A社:一般貨物船)
・暫定措置で船腹量が減少しても、船舶の逼迫感は高まらない。(B社:一般貨物船)
・特殊タンク船はもともと船腹量に過剰感はない。一般貨物船は暫定措置により過剰感が相当薄らいできた。セメント船は過剰感が残っている。(D社:特殊タンク船、一般貨物船)
・2000年末には解撤が進み適正船腹量を回復すると考えている。(F社:油送船)
・エチレンタンカーは20%過剰。タンカーも20%過剰であるが、企業の合併やスワップで更に過剰になる。(G社:特殊タンク船、セメント船、油送船)
・内航船の需給バランスは景気が回復すれば逼迫するが、何時かは判らない。(H社:各種船種)
・国内の内航船を10%以上、20%減少させても需給は逼迫しない。(J社:一般貨物船)
・荷主業界では予想を越えたスピードで合理化を進めており、暫定措置による減船にも拘らず、需給がバランスする見通しは立たない。(K社:油送船、コンテナ船)
・1999年末には、スポット傭船が手に入らない状況になった。このような年末の市況好転は当初の予想を越えるものであった。船腹量が減って船腹需給が逼迫したというよりも、景気底打ちにより荷動き量が活発になったためである。(M社:一般貨物船)
4]モーダルシフトに関連して
モーダルシフトに関しては港湾荷役等が障害となり、海運の優位性が全く発揮できていない。