2. 業界インタビュー調査結果
(1)調査の概要
1]調査時期
1999年9月-2000年1月
2]調査対象
東京都、大阪府、大分県、愛媛県、香川県所在の船主・オペレーター計13社
(一般貨物船、油送船、特殊タンク船、セメント船等)
3]調査項目
1)海上輸送量・船腹量の動向
・海上輸送量・船腹量の推移
・海上輸送量・船腹量の将来展望
・過剰船腹量の評価
・モーダルシフトに対する見解
・海外売船のインパクト
2)新造船建造動向
・新造船建造量減少の背景
・新造船の将来展望
・船種・船型の変化
・建造船の選定基準
3)その他(船員問題)
(2)調査結果概要
1]海上輸送の現状
全般的に海上輸送は大きく落ち込んでいる。落ち込みの要因は、景気低迷のほかに、荷主の物流提携、スワップ取引拡大、業界再編といった業界構造変化要因によるものである。
但し、構造変化によっては、業界によって進展度に差がある。即ち、
鉄鋼:生産拠点相互利用、スワップ取引で海上輸送量が減少。最近の粗鋼の国内生産拡大は輸出拡大によるものであり、内需は停滞。今後、韓国等からの輸入拡大の恐れ。
石油:大手石油メーカーの統合が起こりつつある(最終的に4グループの見通し)。業界再編完了にはなお時間がかかる見通しであり、その間、海上輸送量は減少。
ケミカル:輸送量は企業合併、業務提携により減少。東南アジアからの輸入品拡大は輸送コスト削減の圧力要因になっている。
セメント:物流合理化の歴史が長く、スワップ取引、業界再編も最終局面。