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3.2 減速機の改造設計・製作

 

減速機主要目を表1に示す。また、動力伝達系統図を図3に、減速機の外観図を図4に示す。ジェットアシストPTO付減速機は、高速ディーゼル機関用として標準的に使用されている減速機を改造設計・製作したものである。

改造減速機は、外観図のケーシング部が標準減速機に追加されており、増速ギヤ、PTOクラッチ、PTOブレーキ及びスクリューコンプレッサPTO軸を内蔵している。

PTOクラッチ嵌脱によりスクリューコンプレッサを運転停止できる構造になっている。また、PTOブレーキは、PTOクラッチ脱時でのPTO軸の連れ回りを防止するためのものである。

 

3.3 減速機の改造装置の単体試験

 

3.2で改造した減速機の単体試験を実施した。電動機により減速機を駆動し、次の項目の確認試験をおこなったが、結果はすべて良好であった。

1]起動試験:起動時の振動、油圧上昇状況の確認

2]主クラッチ及びPTOクラッチ嵌脱試験:クラッチ嵌脱作動確認

3]回転速度変更試験:回転速度上昇、減速時の振動、油温状況の確認

4]PTOブレーキ嵌脱試験:ブレーキ作動確認

 

3.4 過給機ジェットアシストシステムの設計・製作

 

過給機ジェットアシストシステムの構築に先立ち、構成要素であるジェットアシストインサート面積、スクリューコンプレッサ容量、アシスト空気圧力、アシストタイミングなどの要素技術適正化試験を実施した。適正化試験結果の一例を図5に示す。本図は、ジェットアシストインサート面積と排気濃度及びジェットアシスト用空気消費量との関係を示したものであるが、排気濃度に対して適正なインサト面積があることが分かった。適正化試験結果を踏まえて、ジェットアシストインサート面積、スクリューコンプレッサ容量などを決定した。決定したスクリューコンプレッサ主要目を表2に示す。これらの結果を踏まえて、ジェットアシスト装置、スクリューコンプレッサ、コンプレッサ動力伝達装置の配管・制御装置・計測装置などのシステム設計・製作を行い、過給機アシストシステムを構築した。

 

3.5 高速ディーゼル機関による実証試験

 

構築した過給機アシストシステムを用いて、その効果を確認したのでその結果について報告する。

 

3.5.1 実証試験条件

 

(1) 供試機関

供試機関の主要目を表3に示す。

本供試機関は、時速40ノット以上の高速が可能であるウォータージェット推進船の高速船用主機関などに多く採用されている軽量・高出力化されたニイガタ16V16FX型の試験機関である。

 

 

 

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