3. 調査研究の成果
オイルカーテンに最適な膜材を選定することを目的として、織物と不透過性材料について試験を行った。原油等の粘性が大きい場合には織物でもオイルカーテンとして使用できるが、燃料油のような粘性の小さいものは不透過性材料を用いる必要があることがわかった。
オイルカーテンの収納方法と投下方法を考案し、さらに展張状況の観察と問題点等の抽出を目的として陸上投下実験を行った。実験では、収納方法として巻き方式と蛇腹方式について実験を行った。巻き方式では解放用ワイヤーがすべて解放された時点でオイルカーテンの展張が始まることから、ワイヤーの解放が途中で止まった場合には展張されない。それに比して蛇腹方式は、マジックテープが解除された場所からオイルカーテンの展張がはじまる。よって、解放用ワイヤーを用いる方式では巻き方式より蛇腹方式の方が効果的であることがわかった。
また、展張終了までの時間は、今回の実験のユニット長(約5m)においては約7秒と短時間での操作が可能であったが、実際の船舶の周囲に取り付けた場合には、所要時間も長くなることから、長尺ユニットの場合にも、より短時間で展張可能な構造の検討を要する。