2.3.2 構 造
オイルカーテンを確実且つ容易に展張するための構造案を以下に説明し、収納構造を付図1、付図2に示す。
1]内装部
(1) カーテンの格納構造
カーテン本体は、垂下用の重錘を中心にして巻き取った状態とし、終端をケーシング下部にボルト固定した内装カバーと縫製接合する。また、ケーシング上部にボルト固定した外装カバーの先端裏側に取り付けたマジックテープによって内装カバーの表面に重ね合わせて接続する。
(2) カーテンの展張構造
カーテンを垂下展張するための開袋ロープ(ワイヤーロープ)を内装カバーと外装カバーの間に装填し、その一端をケーシングに固定し、一端を外装カバー外側に引き出して投下用重錘と接続する。
(3) カーテンの展張方法
カーテンの垂下展張は、開袋ロープ先端に取り付けた投下用重錘を海中に投下することでカバー内に装填された開袋ロープが引き出されると同時に外装カバーと内装カバーを接続しているマジックテープが剥離され、外装カバーが開きカーテンが自重によって落下し展張する。
この時、先端に重錘が取り付けられた開袋ロープは、カーテンの外側に垂下されることでカーテンの捲れ上がり防止となる。
2]外装部
(1) ハードカバーの取付構造
オイルカーテンの内装部の外側にFRPで形成されたハードカバーを取り付け、格納時の紫外線劣化や波浪等による内装体の損傷及び開袋を防止する。ハードカバーは、ケーシング及びハードカバーのフランジ部に取り付けたマジックテープによって固定したカプセルとする。
(2) ハードカバーの離脱構造
ハードカバーの離脱は、ケーシングとの固定部にエアーチューブを挟み込んだ状態で装填し、離脱時はコンプレッサーによって空気を供給し、エアーチューブを膨らませることでマジックテープを剥離させ、ハードカバーを離脱する。
2.3.3 オイルカーテンの展張手順
オイルカーテンの展張手順を以下に示す。
1]ハードカバーのエアーチューブにコンプレッサーで空気を供給し、膨らませることでハードカバーを離脱させる。
2]内装部を開袋するための投下用重錘を海面に投下し、開袋ロープによって、外装カバーと内装カバーを接続したマジックテープを剥離させる。