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2.4 収納方法および投下方法の検討と必要器材の考案(その2)

 

2.4.1 オイルカーテンの収納方法

 

船形は曲線ラインが多く、特に船首部分のR(アール)は小さいため、オイルカーテンの設置は船側部分の直線ラインと異なり、オイルカーテンの長さを短くし、複数化する必要がある。このため、油流出時に各個々のオイルカーテンに対してそれぞれに投下装置を設置する必要がある。事故直後に即対応が求められるため、投下装置が複数となれば、瞬時に一斉投下できないことが考えられる。

そこで、船首部分のオイルカーテンの収納器材としてナイロン製の吊りベルト、もしくは、ロープで数ヶ所に固定する収納方法とする。投下時には、その吊りベルトを一斉に切断する装置を船体に取付し、油流出事故に対し、即対応が可能と考える。

 

2.4.2 オイルカーテンの構成

 

◇オイルカーテン(油流出防止膜)

◇被覆材(劣化防止膜)

◇円筒型防舷材(ゴム製芯材)

◇吊りベルト又はロープ(オイルカーテン・被覆材固定具)

◇押え金具(被覆材固定金具)

◇切断機(吊りベルトを切断する装置)

 

オイルカーテンの収納方法は、以上6種の材料からなり、被覆材及びオイルカーテン端部とをつなぎ、巻き込むことにより、被覆材でオイルカーテンを覆う構造とする。被覆材の取付には、固定金具(押え鉄板等)を用いる。

 

2.4.3 オイルカーテンの収納手順

 

1]平坦なヤードにて、オイルカーテンと被覆材を接着し、円筒型防舷材にオイルカーテンを取付(膜材同士の接着でもよい)する。

2]芯材となる円筒型防舷材を回転させ、オイルカーテン及び被覆材を巻き込んでいく。

3]巻き込んだオイルカーテンを船体に取付準備をする。

4]オイルカーテンを所定の位置にセット完了後、仮止めする。

5]仮止め完了後、被覆材端部を船体に取付されている押え金具にて取付する。

6]吊りベルト等にてオイルカーテン中央部より取付する。

7]吊りベルトの長さを調整しながら、リングプレートに取付し、オイルカーテン設置完了。

 

2.4.4 オイルカーテンの投下方法

 

(1) 各吊りベルト付近に切断できる装置を取付し、スイッチにより一斉に切断器具が作動して投下する。〔付図3参照〕

 

(2) 各吊りベルトを固定金具(リングプレート)と連動装置を取付し、その装置を解放させることによって、投下できる。

 

 

 

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