2.5 実質のデータ通信
三井造船(株)テクノサービス事業部の協力を得て、実データの送受信を実施した。(1999年1月18日に正式に開始)。送受信されるデータはそれぞれ実際ものという条件で行ったが、テストを兼ねているので同時にデータをファックスで送受信する方法とした。
現段階において判明した通信データ内容の問題点は次の通り。
・ブランクオーダー
業務上、見積もりなしでブランクオーダー(ORDERS)からやりとりが始まることがある。この時価格・納期を発注者に返すためにはQUOTES(見積もり)のメッセージを返信することになり、実務的には不自然である。本来の送受信のデータの流れは、
1. REQOTE(見積もり依頼) 購買者より販売者へ送信
2. QUOTES(見積もり) 販売者より購買者へ送信
3. QTERSP(見積もり返答) 見積もりが合わない時、購買者より販売者へ送信
4. ORDERS(注文) 注文する時、購買者より販売者へ送信
5. ORDRSP(注文に対する返答〉 受注した旨を販売者より購買者へ送信
となる。ところがブランクオーダーの場合、4. ORDERSに対する返答が2. QUOTESとなるので混乱を生ずるのではと思われる。
・QUOTESの機能
REQOTE(見積もり依頼)にはある1=replace、5=cancelがQUOTESにはない。
・販売者側でItemを追加する場合には、1000-1999のLine Item No.を使う必要があるが、これでは購買者側で1000item以上の注文が出来ない。
・Itemの品名を変更する場合は元を数量ゼロにして追加item扱いしなくてはならないが、実用的ではない。
またデータ内容とは別に、EDIを始めるにあたって社内での体制を整える必要がある。窓口となる者は各担当者への受信データの配布、各担当者から送信データの集約など、負担は大きい。内部システムヘの移行は簡素化され、人的ミスの削減にはなるが、現状での仕事量は以前に比べ多くなっている。
3. まとめ
3.1 成果
1) インターネットによるEDI送受信
通常のEDIで考えられる通信方法にはインターネットのほか、専用回線、VAN回線の使用が考えられる。専用回線、VANは決められた回線を通って通信されるので、セキュリティ、通信の確実性が高い。それに比べインターネットは世界中のどの回線を通って通信されるかが不確定。そういった環境においての通信テストが良好であったことは、専用回線、VANにおいても確実に行われることが検証できた。