日本財団 図書館


b.製品:船舶

原告 v 被告:Darville v. ガソリンポンプメーカー

評決・和解:$382,500で和解

損害:死亡(48才、男性)

事故の概要:ガソリンと硝酸アンモニウムの荷下ろし作業中、ガンリンポンプがスパークして発火。船倉に通気孔がなく、ポンプがガソリンに適していないと主張。

 

c.製品:ボート

原告 v 被告:Patterson,Jr v 船主/造船業者

評決・和解:$575,000

損害:手指切断(61才、男性)

事故の概要:下部デッキから上ろうと船底冷却ポンプに掴まった際、手が滑ってポンプの滑車部分に巻き込まれた。

 

[日本の事例]

d.製品:モータークルーザ(日本)

状況:エンジンマフラーが電蝕により穴があき、船内に水が入った。その為トランス等が故障した。

処置:マフラーの材質をステンレスからグラスファイバーに変更した。

備考:設計、又は指示警告が不適切であった可能性がある。

 

2.3. 高速船舶のリスク;

 

船舶の高速化に伴って生ずるリスクは、次の様な事項が考えられる。

・運動エネルギーは速度の2乗に比例するため、高速で浮遊物に接触、衝突、坐礁した場合、外板、船底等の損害、衝撃に起因する波及的損害の拡大。

推進装置------損傷、機能喪失

船体構造------変形、fracture

航海計器------損傷、機能喪失

・但し、高速航行時に沈下性の浮遊物を検知する有効な装置の開発が不十分である現状では衝突予防に重点を置かざるを得ない。

 

2.4. 船舶関係のPL対策;

 

以上の事例やリスクを考慮すると、事故を未然に防止するための対策として個別のものは種々かんがえられるが、方針としては次の2点が挙げられる。

・製品自体を欠陥のないように設計・製造する。(総ての基本であるが)

・安全な使い方が出来るよう取扱説明書や警告ラベルを工夫する。(前記の自動車運搬船の転倒事故等は警告ラベルとリングに夜光塗料を塗ることでPL訴訟にはなるまい)

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION