3. 各国のFSAの試適用の要点
3.1 英国によるもの2)
英国は、英国、ノルウエー、フィンランド、香港等で運航している高速船をFSA試適用の対象とした。まず、現状の事故統計をもとに主要な事故の発生頻度を求め、さらにリスク寄与木のうち、事故発生から最終結果に至るイベントツリーを専門家の意見を集約することにより、事故時の人命損傷の数を求め、現状のリスクを求めている。また、RCOの効果を推定するために、以下の方法を用いている。まず、現状の安全性を示す指標値を、専門家の意見を集約する図(Regulatory Log(Risk)Impact Diagram: ここでは、基準影響関連図と訳す。図3)で求める。次に、種々のRCOを施した揚合の安全性の指標値の変化を、新たに実施した専門家の意見の聞き取り調査により得、それらを基に基準影響関連図を再構成することにより求める。その後、安全性の指標とリスクを関連付ける図(図4)を作成して、現状のリスクに対するリスクの減少を計算している。