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船舶の安全性余談

寳田直之助

(1999.7.1.)

 

[本稿の目的]

船舶に関係している人々は建造側であれ、運航側であれ"安全性"が基本であることをよく承知している。この "基本"に関連して、最近安全基準の考え方に就いて国際的にもFSA(Formal Safety Assessment)実現のため、確率的安全評価手法等が熱心に討議されている。本稿ではこのような先端的な安全論をお話しするつもりはない。退屈されるだけであろう。もっと身近な問題として当工業会のメンバーが主な対象としている500T未満の船舶が要救助船の90%以上を占めていることや、最近安全性が基本の認識がない人が海面を使用するのが増えていること、最も救助率が低いのは「浸水」「転覆」であることを海上保安庁の資料で認識することを第I部とし、

「浸水」「転覆」が直結しているよい教範として「最も短くて最も永い生涯」と言われる 370年前に港内で転覆沈没したスェーデンの有名なバーサ号の復原性の話しを第II部とする。復原性以外のことで、設計、権力と技術の関係等参考になれば幸である。

 

 

 

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