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11.2 翼の周りの圧力分布とキャビテーション/エロージョン

 

プロペラが水流中を高速で回転すると、背面の流速は圧力面より速くなり、圧力面は正圧、背面は負圧となり、翼面に揚力が発生する。

(揚力の70%は背面の負圧による)

 

背面の流速が非常に速くなると更に背面の圧力が低下し、常温でも水が蒸発して気泡(キャビティ)を生じる。

この現象をキャビテーションと云う。

 

気泡は圧力の高い翼の後縁近くに移り、そこで圧壊する。

その圧壊衝撃圧により翼の表面が荒されてザラザラになる現象をエロージョンと云う。

 

翼断面周りの圧力分布

017-1.gif

 

11.3 プロペラの起振力

 

プロペラの起振力はベアリングフォースとサーフェースフォースに分けられる。

 

●ベアリングフォース

不均一流中のプロペラ翼に加わる流体力の変化が軸系、軸受を通して船体に伝えられる起振力。

一般に右図の様な6成分の力及び偶力がある。

●サーフェースフォース

プロペラの回転に伴って付近の船体表面に加わる水圧変動を表面積について積分して得られる起振力。

上下、左右の2種類がある。

 

プロペラ起振力

017-2.gif

 

 

 

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